スペハリ本製作記-6 「最大の危機」
2015.08.22 Saturday
その6 「最大の危機」
← その5「制作進行」
企画書の段階では何となく50ページぐらいかなと漠然と予想していた頁数もあれよあれよと言ううちに100ページを超えて最終的に表紙込みで136ページもの大ボリュームとなった。
決して薄い本ではない。
出来れば全項フルカラーにしたかったがそれは流石にとんでもない印刷代となるので渋々カラーモノクロ半々に決めた。ちなみに本文全てモノクロに、という選択肢は全くなかった。スペハリは画面も筐体も美しい、だからカラー印刷でなければ意味がないという信念ゆえにだ。
ページ数が確定したので印刷所各社に相見積を取る。
想定通り車が買える金額に軽いめまいを覚えた。
そしてそれを支払える手持ちの金は、無いッ!
即金の銀行払いは無理なのでカードで支払う。これならば支払いに猶予が出来るのでゲームレジェンドと委託販売の売上金でなんとかなる!…かもしれない…そうあって欲しい…という半ばギャンブルでもあった。
クオリティに関しては絶対の自信がある。だからといって売れるとは限らない。良い物=売れる物というのは幻想だ。しかしそれに賭けるしか無いのだ。まぁ流石に全く売れないってことはないだろうからアシが出ても自腹を切って支払日をクリアして、あとは気長に売って損失補填していけばイイかという楽観もあった。
ダイスを振る前から出目を考えてもしょうがない。ポジティブシンキングで行こう。
---
ゲームレジェンド22間近のゴールデンウィークは長期休みがとれたので制作に没頭した。特にHED氏の「コレクション大全」とSHL氏の「レストア記」は非常にボリュームがあるだけに大半の製作時間を要した。それだけに内容も見せ方も良い物が出来たかと思う。
昼夜を問わずパソコンにかじり付いていたので体はボロボロだったが苦労感は全く感じなかったし、何よりとても楽しかった。長いデザイナー人生の中でこれほど作ることが喜ばしい案件はなかっただろう。
時間の制約があるので煮詰められない箇所が色々あり心惜しく思うが、出来るだけのことはやりきったのは間違いない。
こうして完成させた印刷データを印刷所に入稿。とともに虚脱状態。
製作期間6ヶ月ものあいだ張り詰めていた糸は「入稿」ボタンを押した瞬間に切れたのである。
---
それから約1週間後、印刷した半分が自宅に届いた。残り半分はゲームレジェンド会場と委託先に届けられる予定だ。
ところが、刷り上がりを確認する中でクリティカルな印刷ミスを発見した。
一部ページのメイン画像がすっぽり抜けているのだ!!!
136ページもある中の画像1点だけとはいえ決して見過ごせない。これを知りつつ頒布することは出来るわけがない。
入稿データ上は問題ない。すぐさま印刷所に電話して状況を説明する。
何度も電話で相談した上で刷り直しすることとなった。
ただ、刷り直しは良いとしても問題は納期だ。
ゲームレジェンド22まであと1週間。印刷屋は間に合わせると言うが、何かしらで会場に届かなければ大変なことになる!
イベントまでの残り日数、私は気が気でない毎日を過ごし、イベント前日の土曜日に最終刷り上がりを確認できぬまま東京行きの新幹線に乗り、西川口の夜を過ごすのであった。
→ to be continued.
← その5「制作進行」
企画書の段階では何となく50ページぐらいかなと漠然と予想していた頁数もあれよあれよと言ううちに100ページを超えて最終的に表紙込みで136ページもの大ボリュームとなった。
決して薄い本ではない。
出来れば全項フルカラーにしたかったがそれは流石にとんでもない印刷代となるので渋々カラーモノクロ半々に決めた。ちなみに本文全てモノクロに、という選択肢は全くなかった。スペハリは画面も筐体も美しい、だからカラー印刷でなければ意味がないという信念ゆえにだ。
ページ数が確定したので印刷所各社に相見積を取る。
想定通り車が買える金額に軽いめまいを覚えた。
そしてそれを支払える手持ちの金は、無いッ!
即金の銀行払いは無理なのでカードで支払う。これならば支払いに猶予が出来るのでゲームレジェンドと委託販売の売上金でなんとかなる!…かもしれない…そうあって欲しい…という半ばギャンブルでもあった。
クオリティに関しては絶対の自信がある。だからといって売れるとは限らない。良い物=売れる物というのは幻想だ。しかしそれに賭けるしか無いのだ。まぁ流石に全く売れないってことはないだろうからアシが出ても自腹を切って支払日をクリアして、あとは気長に売って損失補填していけばイイかという楽観もあった。
ダイスを振る前から出目を考えてもしょうがない。ポジティブシンキングで行こう。
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ゲームレジェンド22間近のゴールデンウィークは長期休みがとれたので制作に没頭した。特にHED氏の「コレクション大全」とSHL氏の「レストア記」は非常にボリュームがあるだけに大半の製作時間を要した。それだけに内容も見せ方も良い物が出来たかと思う。
昼夜を問わずパソコンにかじり付いていたので体はボロボロだったが苦労感は全く感じなかったし、何よりとても楽しかった。長いデザイナー人生の中でこれほど作ることが喜ばしい案件はなかっただろう。
時間の制約があるので煮詰められない箇所が色々あり心惜しく思うが、出来るだけのことはやりきったのは間違いない。
こうして完成させた印刷データを印刷所に入稿。とともに虚脱状態。
製作期間6ヶ月ものあいだ張り詰めていた糸は「入稿」ボタンを押した瞬間に切れたのである。
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それから約1週間後、印刷した半分が自宅に届いた。残り半分はゲームレジェンド会場と委託先に届けられる予定だ。
ところが、刷り上がりを確認する中でクリティカルな印刷ミスを発見した。
一部ページのメイン画像がすっぽり抜けているのだ!!!
136ページもある中の画像1点だけとはいえ決して見過ごせない。これを知りつつ頒布することは出来るわけがない。
入稿データ上は問題ない。すぐさま印刷所に電話して状況を説明する。
何度も電話で相談した上で刷り直しすることとなった。
ただ、刷り直しは良いとしても問題は納期だ。
ゲームレジェンド22まであと1週間。印刷屋は間に合わせると言うが、何かしらで会場に届かなければ大変なことになる!
イベントまでの残り日数、私は気が気でない毎日を過ごし、イベント前日の土曜日に最終刷り上がりを確認できぬまま東京行きの新幹線に乗り、西川口の夜を過ごすのであった。
→ to be continued.
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