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『INSIDE(インサイド)』レビュー

INSIDE

鬱系パズルアクションの後継者

かつてXbox360で洋ゲーのインディーズゲームシーンが活気付いていた頃がありました。「TRIAL」「Castle Crashers」「Braid」などなど小粒ながらも光るゲームが多く排出されていた輝きの時代です。

その内の1つで「LIMBO」というゲームがありました。モノトーンで統一されたノイズ混じりのグラフィックは独特の世界観を醸し出し絶妙のパズル性と相まって高い評価を得た作品であります。

そして制作会社Playdeadは長い沈黙の後にようやく先日配信開始となったのがこの「INSIDE」であります。

 

丁度「INSIDE」リリース直前にSTEAM上で「LIMBO」が無料配布されてましたのをとりあえずダウンロードしてました。その時は「INSIDE」をプレイする気がなくDLした事すら半分忘れてましたが、「INSIDE」をやってみる気になったので予習として「LIMBO」をプレイしましたところ、やはり評判が良かっただけの事はあるなととても楽しくプレイできました。
今は無償期間は終わっていますが、 「LIMBO」 も素晴らしいゲームなのでおススメです。ちなみにどちらもクリア時間は4時間程度なのでサクッと良作を楽しみたい方は是非!

ディストピア行の終焉

ゲーム的には「LIMBO」と全く同じ(メニュー画面のUI(ユーザインターフェイス)まで同じ)で、ひたすら右に右に時には左へ進み、様々なパズルを解いて前へ進む思考系横スクロールアクション。ジャンプの届かない場所に登るため箱を持って来たり、機械を上手く操作して道を開いていくタイプのゲームです。

 

主人公が出来るのはジャンプとアクション(押す・引く・掴む・スイッチを入れる等)のみと言うシンプルさ。パズルもそんなに難しい部類ではないですし、シビアなアクションを求められることもありません。 むしろ謎解きより世界観を味わうことを主軸としたゲームだろうと思いますので、そのあたりは緩めにされてるのではないでしょうか。
また一発死のデストラップも相変わらず。しかしリスタートは素早く行われるのでストレスはありません。謎が解けないストレスはあっても、それを乗り越えた時の嬉しさはそれ以上ですしね。

 

前作の独特の暗鬱な世界観直接語らないストーリーテリングは健在。
世界観に関しては現代社会(と思われる)が舞台ですが、見つかれば問答無用で殺される何処かの国か施設をステージにしているので、モノトーンの前作よりも多少色づいてはいるものの重苦しさはアップしているでしょう。
ただ少々コミカルな描写があるので幾分重さは和らげられています。

 

ストーリーに関しては殆ど語られないので場面場面をみて「ここはどういう世界なんだろう」「主人公は何を求めて進んでいるのだろう」と思い描くだけですが、終盤で突如もの凄い展開になり驚愕!そしてエンディングに入る訳ですが、この辺りの展開は絶対ネタバレなしで自力で見てもらいたいと切に願います。
近々PS4でもリリースされるので日本語の攻略サイトや考察ももっと出てくるかと思いますが、終盤の情報はノータッチでお願いしたいところであります。

 

陰のある世界を死の罠を潜り抜け突き進んだ先にある思いもよらない展開と結末。
トレーラー動画等を見て気になったならば、ぜひともプレイする事をお勧めします。

 

余談ですが、クリアに4時間程度、隠しENDの出し方を調べておいて達成して約1時間。プレイ計5時間ほどで全実績とれちゃうのでトロフィーコレクター向けのゲームでもありますw

私なりのINSIDE世界の考察

ここからは大いにネタバレしてますので、プレイしようかと思ってる方/途中の方は読まないようくれぐれもお願いします。
※以下文字反転してお読みください。

 

---


物語が何も語られないとはいえ、世界は断片的に読めます。意志のない人たち・崩壊した街並み・水中を泳ぎ続けられる人間・実験施設・そしてあの肉塊。
管理する側とされる側が明確に分かれていてなおかつ被支配側が何かしらの改造された様子を見ると、あれは戦争に負けた国か弾圧を受けた組織・地域の人間なのではないでしょうか。主人公はもちろんそちら側の人間なので見つかれば即殺される訳です。
支配者側は被支配者を人為的に意識を奪い奴隷として使役。また人体実験で水中人間や肉塊のような研究も行っている。豚を凶暴化させる寄生虫などはその産物でしょう。

 

同朋の解放が彼(主人公/なぜ男なのかは後述)の目的。
肉塊と同一化することであの体を得て、施設外に飛び出し死することで残酷な実験から解放させられた、という流れなのではないでしょうか。
結果的に施設の破壊と幹部らしき人を殺害できましたが当初の意図にそこまでの計画があったのかは分かりません。

 

隠しエンドを見るためには各所のオーブを破壊して廻る必要がありますが、それら全て黄色いケーブルが繋がっていて最後の大きなオーブ一つがその集約地となっています。サーバと端末の関係です。
あのオーブは無意識の人を操作するヘッドギアに似ているので、オーブこそが奴隷管理の機械だと考えられなくはないでしょうか。
彼らを開放するために各端末を潰していき、最後にサーバを壊すことで奴隷解放となるという。ただ、解放といっても元の健全な人間に戻る見込みはなさそうなので、従属から解放し死に至らしめてあげるのが目的かと思われます。

 

そして暗転して終わる隠しエンドの意味。
彼もまた改造された人間だったのですが、汎用オーブからの支配は受けていない特別な存在。しかしトウモロコシ畑地下に隠されたスタンドアローンの機械から指示を受けている彼もまた操られた個体。
同朋の解放という本懐を遂げた後、彼をシャットダウンするために自らあの機械を壊させたのです。彼を操作する誰かが。
最後の逃亡時に助力してくれた研究員もいましたので、その謎の人物は所内の一派かもしれません。

 

そして裏テーマとして「遺伝子操作への警告」ってのもあるかと考えます。
人体改造された人間の姿は哀れですし世界が死の臭いに満ちている。何よりあの肉塊は「卵子」であり主人公は「精子」のメタファーでしょう。直前に裸になるので余計それっぽい。
そして着床するも死に至る(崖は産道?)。誰一人幸せにならない結末は自然に反するような事はするなという警鐘に見えてしまいました。

 

---


というのが私なりの考察です。
合ってるかどうかは分かりませんが、概ね筋は通ってるんじゃないかと思いますがどうでしょうw
なお念のために言っておきますが、これは私一人で思いついたのではなく色んなサイトを見た上での考察です。
こういう風にあれこれ思いを巡らせることが出来るってのは良い物語である証拠でしょうね。

 


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