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『メタルギアソリッドV:ファントムペイン』レビュー

メタルギアソリッドV:ファントムペイン

最後の「待たせたな!」

1987年にMSX2から発売された「メタルギア」シリーズもついにフィナーレの時を迎えました。
ちなみにナンバリングとしては「V」で5作目ではありますが、この「ファントムペイン」の前に「グラウンドゼロズ」という短編がありそれら2つを合わせて「V(ファイブ)」となります。
またこのVの字には「venom(ヴェノム):蛇の毒・憎悪」という意味も込められているようです。

知らない方のために説明しますと、メタルギアシリーズは2人のスネークという人物を主人公としており、MSS3(PS2)・MGS:OPS(PSP)・MGS:PW(PSP)・MGSV:GZ(PS4)・MGSV:PP(PS4)の主人公ビッグボス(ネイキッド・スネーク)は冷戦期に活躍した伝説の傭兵、そして現代を舞台にしたMG(MSX2)・MS2(MSX2)・MGS(PS)・MGS2(PS2)・MGS4(PS3)のソリッド・スネークはそのビッグボスのクローン人間という設定。
単純に言えば眼帯をしてる方がビッグボスでしてない方がソリッド・スネークという認識でだいたいOKです(MGS4のカメラアイは眼帯を模していますが)。

シリーズを通して「反戦反核」「遺伝子(ミーム)」を主題としてきたメタルギアですが、今回のメインテーマは「言語」。これを正面に捕らえた作品というのはゲームに限らず稀でしょうね。宇宙人とのファーストコンタクトでいきなり会話が通じてる作品なんてのもザラですし。
確かに国家や戦争を扱う以上は言語というのは避けては通れない筈ですが、娯楽物ではあまりに取り扱いが難しすぎるものなのでしょう。

先日某所でロシア人女性と話す機会があったのですが、彼女は言いました「ロシアには方言というものがない。あの広い国のどこに行っても皆同じ言葉を話し同じものを食べている」と。
日本では東北と沖縄はかなり違いますしヨーロッパ内でも言語は多様ですのでにわかには信じがたい話ですが、かつてのソビエト連邦という共産主義国の残滓なのかと考えれば分からなくもないですし怖い話でもあります。

組織内で一番働いて副官にクソ仕事をやらされる伝説の傭兵

ゲームとしての「ファントムペイン」の特徴はオープンワールドゲームになったことです。
従来のほぼ一本道のリニアスタイルでなくなったのでプレイ前に不安感はありましたが、舞台になっているアフガニスタンやアンゴラといった荒野にマッチしていますし、何よりも潜入・脱出の戦術の幅が比べ物にならない程自由になったのでステルスゲームには最適解なのだと納得させられました。

ただマップは主に2箇所あるとしてもそんなに広くない中に軍事施設が点在してるので、サイドオプス(サブミッション)等で何度も同じ場所に忍び込んでドンパチやるってのは少々リアリティに欠けます。
またミッションが1つ1つ細切れに展開することになったのでブツ切り感は拭えませんし、メインミッションでもどうでも良いような物が多いのもオープンワールド化の弊害と言えましょう。
そのメインミッションも開始前とクリア時にスタッフの名前が出るのもちょっと々ウザいですね。それに本編クリアまでにスタッフロールが3回も見ることになるってのは流石にやり過ぎでしょう。初回のスタッフロール見た時は「これで終わり!?」と驚きましたし、そんな人も多かったでしょう。

ゲームとしてはオープンワールドとステルスゲームの良さを上手くミックスさせられていて出来は良いです。とても面白く楽しませてもらいました。
作りこみも極めて高く、国産ゲームでも海外AAAタイトルと比較しても引けを取らない物がまだ作れるんだという証になりましたね。

未完の大作

しかし不満はシナリオ面に感じました。
でも決してつまらないという訳ではありません。いつもながらの重厚すぎる物語とラストのどんでん返しには唸らされましたし、いつもながらのトンデモ科学も「メタルギア」ならではのケレン味です。
登場人物は敵も味方もクセのある濃い面々で、ずっと彼らとこの世界に浸っていたいと感じさせてくれました。

しかし、期待していた部分が足りていなかった。
初代「メタルギア」は武装要塞国家アウターヘブンの首領となっていたビッグボスを倒す物語であり、何故伝説の傭兵が悪の親玉に堕ちたのか?というのがメタルギアサーガの欠けていた最後のピースであり、そここそが「ファントムペイン」一番の注目点だったものの残念ながらそこについては深く語られないまま終わってしまいました。

そして「3度あるスタッフロール」の初回あたりがストーリーが一番盛り上がるピークなので、それ以降はテンションが下がったまま話は続き、最終話も唐突に来て全貌を明らかにして終わるという流れなので「巨大で手強いラスボスを倒して大団円!」といったカタルシスが無いのも寂しいところ。

で、最大の不満点は何と言っても「幻のエピソード51」
本編エピソードは50で終わりなのですが、これはPC版のデータ解析により発見された没(?)動画で、まさにあるべきだったラスボス戦がその中に存在したのです。
この動画へのリンクはあえて貼りません。クリアした人には是非見てもらいたいですが、プレイ中もしくはプレイ予定の人は決して見ないで下さい。

コナミの社長交代により組織変革が行われ、コジプロが解散させられた事で真の最終話が作られないまま打ち切られてしまったのでしたら、それはあまりに悲しい事です。開発が長引いたことで予算がかさみ「グラウンドゼロズ」を分割販売せざるを得なくなってしまった事情もあったかもしれません。
だったとしても「メタルギア」というコナミを代表する金看板の完結は綺麗な形で終わらせて欲しかったと本当に残念で残念でなりません。
小島監督自身の動向も注目されている昨今ですが、新天地で新たな作品を生み出し彼らしい驚きのあるゲームを届けてくれると信じています。


コナミは恐らくそのEP51について語ることはないでしょう。そのエピソードを完全な形で世に出す以外のことを言えばまた非難に晒されるのは間違いないでしょう。
また、私自身も前述のロシア人女性との事もこれ以上は語りません。当レビューをヨメが読んでいないとも限りませんので。
メタルギアファンである以上は私も「反戦」を貫きたいと思っております!


コメント:コナミは今後もMGS作ると言ってるけど、チーム解散した以上は内製は無理だし、そもそもあの世界を作れる人が他にいるのかと。


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