『DEAD SPACE 3(デッドスペース3)』レビュー
2013.03.16 Saturday
欲しかったのはこれじゃなーい!!
SFサバイバルホラーの代表格となった「DEAD SPACE」も今回で3作目(前日談の「DEAD SAPCE Extraction」ってのもありますが)。「1」は巧みな演出による恐怖感と部位破壊・ゴア表現の凄さが素晴らしい作品で、大きな変化はないものの「2」ではその良さを踏襲した内容でした。
そして新作「DEAD SAPCE 3」ではどうかといえば、
微妙なコレジャナイ感漂う出来となっていました。
今回は雪の惑星がメインステージ(といっても今までどおりの宇宙船内シーンが全体の1/3ぐらいあります)。
宇宙船から地上に出たとなれば広大なフォールドが舞台かと思いきや、基本一本道なので今までと変わらずナビ線に従ってあっちこっちに行く内容です。
「1」の良かった点で、閉鎖空間の息苦しさが恐怖や孤独感を醸し出す要因として大きかったは間違いありません。
「2」では外に出ることでそれが薄れてしまい、「3」でなお希薄となってしまいました。
怖さの演出はありますが、雪中を進む中ではそれはあまり感じられません。
突然バーンと飛び出してきてビックリする驚きは変わりませんが、「1」で評価されていたのはそういう部分ではなかったでしょう。
シリーズ物の宿命なのか、お話がやたら大きくなってきてるのもどうかと?
また「DEAD SPACE」はネクロモーフ(敵クリーチャー)の異形さとマーカーに取り憑かれた人間の狂気さの演出が非常に優れていたのですが、「3」はほとんど既出の敵ばかりですし、新キャラはやたら早くてキモい動きのヤツというあまり畏怖の対象となる相手ではありません。「2」の赤ちゃん型ネクロモーフのほうが遥かに優れた存在でしたね。
人間の狂気に関しても大したものはありませんでした。
新しい敵と言えば、普通の人間(軍人?)が登場。こいつらを相手にする時はもちろん障害物に隠れて(カバーアクション)の銃撃戦・・・ってなんでこんなフツーなTPSプレイをやらせんだよ!?と思わずにいられません。
そういうのを求めてDEAD SPACEやってんじゃないんですけどねぇ…。
宇宙最強のエンジニア
初代は傑作だったのにシリーズを重ねるごとにスケールが大きくなってく反面、元の良さがスポイルされてつまんなくなっていく。この感触どっかで味わったなと思いましたが、それは「バイオハザード」でした。
紛れもなく「DEAD SPACE」の始祖といえる存在ですが、同じ轍を踏んでしまってるところまで一緒とは(苦笑)。
ゲームとは体験型のメディアです。
最初の「体験」より以降の「体験」で楽しさが劣るのは当然のこと。
1作目で提示した「体験」が評価され売上に繋がったタイトルが続編を求められるのは自然な流れですが、その前回の「体験」と同じでは全然変わってないと言われますし、かと言って違う方向へはシフトしづらい。
そこに続編のジレンマがあります。
で、基本は同じで規模や物語を大きくするという手法に進むのがよくある話ですが、それにより元々の良さを構成していたバランスが瓦解して「ちょっと違う」モノが出来上がっちゃうというのもまたよくある話です。
そこに陥っちゃいましたねぇ。
「DEAD SPACE 4」は製作中だったのに「3」の売上がいまいちだったので凍結された、なんてニュースが有りました。
「4」が出るかどうかは今のところ微妙のようですが、ストーリーも区切りが付いていますしここいらで〆るのも悪く無いでしょう。
「2」でも「3」でも冒頭で病んでるアイザックさんが無理やり引っ張られて地獄へ叩き込まれてますので、そろそろ休ませてあげては良いのではと思ってしまいます。
これほど過酷な人生を歩んでるゲームキャラもそうそう居ないのではないでしょうかw
>> 関連:『DEAD SPACE(デッド スペース)』レビュー
>> 関連:『DEAD SPACE 2(デッドスペース2)』レビュー
- 洋ゲー レビュー
- 18:45
- comments(2)
- trackbacks(0)
- -
- -
- by Pin