『風ノ旅ビト』レビュー
2012.03.24 Saturday
巷で話題の「風ノ旅ビト」やりました。
ネットの紹介記事や公式サイトのトレーラー見てもいまいちどういうゲームなのかピンと来こなかったので「本当に面白いのか?」と半信半疑でしたが、やってみると「いや、これはマジで凄いな」と。
遥か彼方にそびえ立つ光る山を目指し、砂漠や遺跡などを黙々と進んでいくだけの内容ですが、グラフィック・音楽・雰囲気なにもかもが心地良い。
何もない砂漠にポンと放り出されるところから始まりますが、プレーヤーの導きっぷりが巧みなので迷うことはあまりないでしょう。「アッチへ勧め →」という矢印が表示されるような無粋なことは一切ありません。
ジャンル的にはアクションアドベンチャーですが、アクションゲームとしてはとても簡単。クリアするだけならテクニカルな操作を求められることはありませんし、そもそもやれることがジャンプと音波?発信しか無いので非常にシンプル。
アドベンチャーとしても心打つ物語がある訳でもなし、ラストの展開はよくあるもの(「ナイツ」の最終ステージを思い出しました)。2時間程度で目的地にたどり着けますしね。
でもだから凡ゲーかといえばそんなことはありません。
美しいグラフィック・幻想的な音楽・心地良い演出が見事に組み合わせられ、稀有なまでに叙情的で壮麗なゲームに創り上げられているのです。
叙情的なんて曖昧な言い方で申し訳ありませんが、「風ノ旅ビト」の良さはそういう言葉にしづらいセンシティブな部分にあるのだと思います。(私の表現力が乏しいという事は否定しませんがw)
あと、特筆すべきはオンラインプレイ。
オンライン状態で旅をしていると、他の旅人に出会います。
これはCOMキャラではなく、ネット上のどこかで「風ノ旅ビト」をプレイしてる人のキャラです。(一緒に旅できるのは自分含めて2人だけ)
意思疎通の方法は音波とキャラの動きぐらいしかないのですが、意外とこれだけでも何とかなるもんです。音波で感謝の気持ちを伝えたり、ここに何かあるよと教えたり。
必要最低限のコミュニケーションのみで何処の誰ともわからない人と共に旅をし、助けあい、導かれる。
限られているからこそ感じるものがある。
言葉という物自体をとっぱらったゲームデザインの秀逸さは見事です。
ゲーム機が進化して表現力が増した反面、想像する余地がなくなったと言われます。
陽光にきらめく砂の輝きや生きているかのような布?の動き、苛烈な雪山などといった美しい映像演出は表現力向上の賜物ですが、言葉以外にも出来ることや与えられることを最小限に絞りきった「不自由な」ゲームデザインにより想像の枠を広げさせ、より一層心に染み入る作品に仕上げられているのです。
「風ノ旅ビト」はぜひとも多くの人達にプレイして欲しいと思います。出来れば余計な情報をいれないままで(このレビューこそが余計だってのはさておきw)
私のような数こなしすぎてスレたゲーマーは勿論w、最近ゲームしてないなって人やプレイ動画見てやったつもりになった人達などなど。
でも一番やって欲しいのはゲームの存在に否定的な人ですね。
これをプレイすればきっとゲームの可能性や素晴らしさの一端を感じてもらえることでしょう。
- 洋ゲー レビュー
- 14:08
- comments(6)
- trackbacks(0)
- -
- -
- by Pin
いつもブログ楽しみに拝見いたしております
楽しみにしていても
コメント書き込むとなると
かなり躊躇というか恐縮しちゃうんですが
今回のレビューは
唸らずにはいられませんでした
素晴らしいレビューです(いつも素晴らしいですよ)
で、勇気を振り絞ってコメントお邪魔しました(すみません)
このゲームは
自分もダウンロードして遊んでみたんですが
凄く良いのに
他サイトの一部の酷評をみると
そんなに面白くないのかなぁ?と
なんかそんな風に思えてしまったり(まあ自分が感動できればそれで良いんですが)
人に勧めたいと思う気持ちが自分の中にあるのですが
うまく文に出来ない
うまく言葉に出来ない
ゲットレディさんは凄いです
羨ましいです
ありがとうございます
これからもブログ楽しみにしています(更新頻度が更に上がればもっと嬉しいです)
なにせ私にとっては
洋ゲーに足を踏み入れる指針になったお方ですから(^O^)/
これからも頑張って下さい
駄文失礼いたしました。