『ワンダと巨像』レビュー
2011.11.09 Wednesday
ブログ友達のにゃんちゃんに「ワンダと巨像」を借りてプレイしました。
かなり古いゲームでいろいろ語られていますが、とりあえずプチレビューをば。
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有名なゲームなので詳しい説明は必要ないかもしれませんが、簡単に言うと死んだ恋人を蘇らえるために禁断の地に生息する16体の巨像を倒していくって内容のゲームです。
近年のゲームでデカい敵ってのは珍しくもなく、「God of War 3」では身長が何kmもあるようなのが出てますし、まだ発売してませんが「アスラズラース」では地球よりデカい仏様みたいなのが人差し指攻撃してます。(アレ倒せんのか?w)
そんな中で「ワンダと巨像」はその巨大感が激しく感じられるのが素晴らしい。
巨大故に鈍重で重厚。それでいて甲冑のせいかどこか不具な感じもうける。
動物のようでもあるが、意思が無いようにも見える(どういう存在なのかはラストで判明します)。
等身大ガンダムなんかが実際動いたらこんな感じなんだろうなぁと思わせられます。
手にするのは剣と弓のみ。
巨像にしがみつき這い上がり、急所を貫き、仕留める。
ただこれだけのゲームです。
雑魚戦も中ボスもなく若干の成長要素があるだけで、ただ粛々と出現地に赴き、巨像を屠り続けるだけゲームです。
と、書くとツマんないゲームのように思えるかもしれません。
ぶっちゃけると私もそんな面白いゲームだとは感じられませんでしたw
振り落とされると一から登らなければなりませんし、辿りついてもバタバタ暴れられて「ジッとせえや!」とイライラします。
「God of War」のデカキャラ戦のようなアグレッシブに死合う血沸き肉踊る戦闘ではなく、急所へ辿り着くためのルートを探して落とされないように一歩一歩登りつめ、耐えて耐えて剣をぶっ刺すという地味な戦い方。
しかも倒した後は悲壮感あるBGMも相まって後ろめたさを感じさせられる演出がたまりません。デザイナーの上田文人氏によると野生動物を殺した時の罪悪感を醸しだすようにしたそうです。
しかし単なる面白くないゲームではありません。その「罪悪感」が示すとおり、この「ワンダと巨像」は実に感情に訴えてくるエモーショナルなゲームなのです。
ストーリーは中盤まで全く動かず10体以上倒してちょっとだけ動くという見事なまでの展開の無さですが、ラストは非常に印象的で心に残る締め方でした。
実に上質な映画を見終わったような素晴らしいエンディングです。
巨像と戦うのみという割り切ったゲームデザイン。
パズルを解くような独特の攻略法。
そして舞台・音楽・演出と終幕の感傷的な締め方。
類似ゲームのないオンリーワンなゲームです。
でもアクションゲームとして見れば微妙…ってのが正直なところでしょうかね。
前作「ICO」も同じ空気を持ったゲームでしたが、次作の「人喰いの大鷲トリコ」もそんな感じになりそうで楽しみです。
ただ、もうちょっとゲーム的に楽しくなってるとイイなw
- 和ゲー レビュー
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いやあPinさん正直w 同感ですよ。私もワンダをPS2でやった時は同じような感想がありましたし。
カテゴリをアクションにするか(我々のように血沸き肉踊るようなものを特に好む者は)、世界観で楽しむか。素材をどう判断するかで変わるものですよねえ。
非常に共感のできるレビューでした。
ICOは未プレイですので、非常に興味あります。