『Mortal Kombat(モータルコンバット)』レビュー
2011.05.08 Sunday
※日本未発売
CombatではなくKombat。テストに出るので覚えておくように!
「Mortal Kombat」というゲームをご存知でしょうか?
数少ないアメリカ産の格闘ゲームで初代は1992年にリリースされました。
当時の日本は「スーパーストリートファイターII」等が人気を博し全国のゲームセンターを熱く奮わせていた格ゲー全盛期の真っ只中であります。
その中突如やって来た黒船「Mortal Kombat」は奇天烈なアジアンキャラの実写取り込みという珍妙なグラフィックで失笑を買うものの、トドメの一撃「フェイタリティ」(日本版では「究極神拳」)にて脊髄ごと首を引っこ抜く等といった目を覆わんばかりの残虐描写で多くのプレイヤーに大きなインパクトを与えたのです。
今とは異なりゲームでそんなゴア描写はせいぜい「スプラッターハウス」や「エイリアンシンドローム」のような生理的に嫌悪感程度のものだったので、敵を炎で焼いてガイコツにしたり頭部を破裂させたりするような直球グロ(といってもかなりコミカルなもの)は常に刺激を求めてきたゲーム戦士にとって新たな地平を見た!と思わせるに十分なシロモノでした。
しかしそれに惹かれて実際プレイしてみると、カプコンやSNKのものとは全く異なるゲーム自身の出来の悪さゆえ最初にやってそれっきりという人も多かったようです。
まだまだ「洋ゲー=クソゲー」だった時代。
見た目の強烈さは最高でしたが、なにより「ゲームとしてつまらない」ので格ゲーブームの震源地日本で支持を得ることはありませんでした。
ところが本場ではそれなりに人気があったようでその後も多くの続編・移植作が作られ続けてゆき、今回紹介します「Mortal Kombat」はなんと9作目という人気シリーズっぷり。
しかも前作はバットマンやスーパーマンといったDCコミックのキャラ達とも戦っていたのですから驚きですし、95年には映画化もされました。
究極神拳伝承者の道
近作はあまり評判が良くなかったそうですが、今作は予想以上に遊べるゲームでした。
名前も余計なサブタイトル無しの「Mortal Kombat」とされている点からして「ストリートファイター4」同様の「原点回帰」が大きなテーマとなっています。
(格ゲーとしての精度についてはあえて割愛させていただきます。私の腕ではそこまで語れませんので)
技を覚えて強くなっていく様がきっちり実感出来る基礎地のしっかりした作りは好感触ですし、なんと言っても今回の目玉である「X-RAYアタック」が最高!
簡単に言えば「ストリートファイター4」で言うところのスーパーコンボで、ゲージを貯めてL2+R2で発動!カンタン操作で骨格や内臓を粉砕し超ダメージを与える様は爽快痛快極まりなし。
ガードはL2ボタンで行います。奥行きの概念がない2D格闘スタイルでボタンガードというのは珍しいのですが、技の中には、背を向けて後方にダッシュし敵キャラ背後から突っ込んでくる(「パックマン」のワープゾーンのように右から入ると左から出てくるモノ)という他の格ゲーに見られない特異な攻撃があるのでボタンガードなのは正しいといえましょう。
トリッキーな動きをする奴らが非常に多いので「Mortal Kombat」は国産格ゲーとは別物なのだと頭を切り替えて臨むことが重要です。
また、R2ボタンでは構え方の立ち替えが出来ます。「バーチャファイター」で言えばジャッキーのスイッチステップ(P+K+G)。入るコンボに違いがあるのかどうかよくわかりませんし使いどころが全く不明なので、多分ボタンが余ったから入れたんだと思いますがどうでしょうね?w
今現在(2011年5月)PlayStationNetworkが死んでいる状態なのでオンライン対戦に関しては分かりませんが、オフ専用でも十分楽しめるモードが充実。
ストーリーモードは格ゲーにしてはかなり長〜い物語でじっくり楽しめます。1人1人にストーリーがあるアーケードモード+α的なモノでなく、1つの物語をそれぞれの主人公で追っていくタイプですので自ずと様々なキャラを使っていくことになります。手に馴染むマイキャラを探すには最適。
ただ、1対2の戦いをさせられる時があるのが大変だったのと、ラスボス直前の戦いの結末がアレなのがなんともw(和ゲーでは絶対ありえんよなァ)
フリークス揃いの「Mortal Kombat」で登場人物の相関関係が分かるのもモーコン初心者には嬉しかったですね。
あとはチャレンジタワーというモードがあり、小さなミッションを次々こなしていくという内容ですが、これがまたフツーに楽しいw 割とテンポ良くさくさく進むので小気味良く、最初はチュートリアル的なモノがほとんどですのでやっていくと自然に操作が身に付く親切設計。
プレイすることで貯まるKoin(コイン)で様々なアンロック要素を解除していくのも楽しさの1つです。
おいおい、昔のモーコンと全然別モンやんw
欠点もあまり見受けられませんでしたね。
必殺技に関しては色々思うところがありまして、特にラスボスの技判定が異常に強いとかX-RAYアタックを喰らうと体力を5割も持って行く鬼だとかいう不満はありますが、ここらはまぁ許容範囲かなと。
それと、PS3版のみのゲストキャラで「God of War 3」のクレイトス先生が参戦されているのを忘れてはなりません。
モデリングもバッチリ「3」のイメージ通りですし、声優さんも同じ人のようです。
使う技や武器もそのままですのでGoWファンにはたまりませんが、フェイタリティで首をはねられたり、上半身を爆破されたり、左右に引きちぎられたりするクレイトス先生を見るのは非常にショッキングなのでした…w
PS3と360両機持ちの方はPS3版を断然オススメいたします。
本家の発展と異形の仇花
正直言ってネタゲーだと思い期待せず買いましたが、なんのなんの全くフツーに楽しめて遊べる良ゲーであります。
日本の格ゲーをよく研究しているのが分かります。
残酷ゲーム好きで格闘ゲーム好きなら買って損はないでしょう。
但し「ストリートファイター4」レベルの完成度でないという事は付け加えておきますが。
昔「Mortal Kombat」をプレイした時はここまで息の長く続けられ、20年後に楽しませてくれるとは露ほどに想像し得ませんでした。
ヒロインのソニアも今回はグラマーでセクシーなおっぱいキャラですが、昔のは80年代テイスト溢れるチープなレオタード女でしたしねェw
余談ですが、「実写取り込み」「バイオレンス」の邪命因子は今はなきゲームメーカー「カネコ」により和風テイストも加えられ、カッパやお地蔵さんが血みどろで戦う「大江戸ファイト 」として大きく開花させられました(バカの華を)。
こちらはバカゲーが天元突破していたところが逆に大好きでかなりプレイしました。
またやってみたいと思っているのですが、前作の「富士山バスター」を秋葉原で発見したことがあるだけで「大江戸ファイト」は当時以降見たことがなく、私の中では思い出の作品となっています。
クノイチの微妙さが最高ですわ〜w
悪食ゲーマーには超オススメです。
- 洋ゲー レビュー
- 00:17
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