『DEAD SPACE 2(デッドスペース2)』レビュー
2011.02.25 Friday
※日本未発売
なぜ「DEAD SPACE」は良ゲーだったのか?
近年発売された新規タイトルの中で、個人的に一番「コレだ!」と思ったタイトルはSFサバイバルホラーの「DEAD SPACE」でした。
初代「バイオハザード」を彷彿させる恐怖と緊張感、それを上手く演出するライティングと音響の妙。
常に弾薬と回復の残数に苦しみつつもギリギリなんとかなるゲームバランスのセッティング。
いかにも存在しそうな作業用宇宙船&船外ステージのデザイン性の高さ。
人間の死体が異形化した敵ネクロモーフの醜悪さとその戦闘のカタルシス。
そして、ここまでやらなくてもwというほど徹底的に無残な主人公アイザックさんの殺られっぷり。
どの要素をとっても極めてポイントが高く、欠点らしい欠点の無いハイクオリティなゲームでした。
そして加えて「ゲーム性の高さ」を挙げさせていただきたい。
抽象的な言い方で恐縮ですが、よく言われる「良いゲームは自分がやられたことに納得がいき、何度も繰り返し『もう一度!』『次こそは!』という気分にさせてくれる」というものです。
多少のランダム性はありますが、「DEAD SPACE」の敵は限られたエリア内にほぼ決まった位置とタイミングで出現します(状況に応じてその後の行動は変化しますが)。
後先考えずにガンガン進めると詰むのは必至なので、道中は出来るだけリトライしてアイテム温存するのが重要。
なので「この部屋に入ったらまず雑魚を始末しておいて、次に出てくる大型にはちょっと位置を変えて違う武器で対処して…」という感じでその場その場のパターン構築を行うのも楽しさの1つであります。
さらに、ゲームオーバー(あるいはポーズメニューのリスタート)時の再プレイ開始が極めて迅速、かつ復活位置がほぼ寸前からの開始なのでやり直しに対するストレスが全く無いのが素晴らしい。
リスポーン位置は最後にセーブした場所から、しかもメッチャ遠い!などで心が折られるようなこともありません。
各エリアでまるで詰将棋をいくつも解いていっているかのように、無駄弾を撃たずにノーダメージでクリアという理想プレイを追い求めていく。次第にそれが楽しくなってくるのです。
そうなるともうゲームデザイナーの思う壺にハマってる状態ですねw
それぞれの要素が高次元に融合し、高難易度でも努力すれば乗り越えられる絶妙なセッティング。それらの理由ゆえ「DEAD SPACE」は良ゲーであった、と私は解釈します。
洋ゲー界の笑い飯
そして続編の「DEAD SPACE 2」はどうだったかというと、面白さはそのままなので文句無しです。
ドラクエ主人公並みに無口だったアイザックさんは今回かなりしゃべりますしリアクションもこなせるようになりました。
が、大きく変化した点があまり無いのと、舞台が宇宙船から衛星基地に変わったので各エリアのバリエーションは増えましたが閉鎖空間の息苦しさと言うものは薄れたかと思います。
今回もステージ制ですが、明確な区切りがなくなったのは私的にはイマイチ。中ボスも同じ奴が何回も登場するのはマイナスでしょう。
ストーリーも前作のほうが良かったと思います。
前作より3年後…という続きの物語ですので未プレイの方はかなり理解しづらいのではないでしょうか。ニコールって女なに?マーカーってどういう物?絶対そこは疑問に思われると思います。
一応はあらすじを見られますが、全てを語っている訳じゃありませんしね。
特にラスト。
前作が100点だとするならば「DEAD SPACE 2」は90点。
下がってはいますが相変わらずのハイスコアラーなのは間違いありません。
例えて言うならば、M-1の予選でバカ受けのネタを披露し楽々決勝へコマを進めたものの、肝心の決勝のネタが予選ネタと同フォーマットなので面白いんだけど評価は下がる、みたいなモンです。
ラストの締めくくりからして「DEAD SPACE 3」はあるだろうと予想しますが、次回は「こう来たか!」と今までの面白さはキープしたまま、さらなる驚きをもって登場して欲しいですね。
MOTTAINAI
「DEAD SPACE」はよくゴア表現の半端無さで取り上げられます。
一番目を惹く部分ですし、製作側も相当意識して作ったそうですから当然でしょう。ゆえに日本では到底発売できないゲームとよく言われます。
もったいない。
こんな素晴らしく面白いゲームが一部の好事家が楽しむだけなんてもったいない。
これはもっと多くの人に楽しんでもらいたいと思わずにいられません。
グロにそれなりの耐性がないと厳しいでしょうが、仮にそこを引いたとしても面白いゲームなのに間違いありません(魅力は半減しますがw)。
今まで輸入ソフトを買った事無い方にも是非ともプレイして欲しいですね。
日本語表示じゃないのが不安なのも分かります。
ストーリーを楽しめないじゃないかと言われるのも分かります。
私だってそう思ってたクチですから。
しかしその不安を乗り越えた先に素晴らしいゲームの数々が待ち構えているのだと考えれば、決して困難な壁ではないのではないでしょうか?
貴方がゲーマーを自認するのであればあるほど、です。
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- comments(5)
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- by Pin
こんなに良くできたゲームが一部のゲーマーにしか知られずクソな国産ゲームが売り上げを伸ばすなんて…。
DeadSpace2は本当にしっかりと作られた良作ですよね。
けしてゴアだけが売りじゃないので多くの人にプレイしていただきたいです♪