『デッドライジング2』レビュー
2011.02.13 Sunday
続 屍人楽園
360初期を代表するゲームといえば「デッドライジング」(レビュー)を抜きには語れないでしょう。
名画「ゾンビ」を彷彿させる(っていうかパクってる)舞台設定と展開、無数のゾンビが群がる百鬼夜行っぷり、加えて一見からは想像できないバカ要素満載で多大な評価を集めたゲームでした。
そして満を持しての続編が「デッドライジング2」です。
良い点はマンマそのまま!
様々なアイテムを駆使して屍人どもを駆逐しつつ、崩壊した巨大なアミューズメント施設をひた走り、己と愛するものの生き残りをかけて戦うサバイバルゲーム。
なおかつ三輪車に乗ったりミニスカナースの衣装を身に着けたりといったバカっぷりも健在!
変態コスチュームのままでシリアスなイベントシーンが行われるアホらしさは「デッドライジング」ならではですねェ。
前作を楽しんだ方はもちろん、前作を知らないPS3ユーザーにこそ是非とも楽しんでもらいたい逸品です!
♪とびでるはらわた たのしい死体
しかしとにかく基本は1と全く一緒。大きく変わった点ってのは殆どありません。
物語の縦軸であるメインシナリオを追いつつ、横軸の生存者救出やサイコ退治を平行して行い、最後は米軍による空爆フィニッシュというフォーマットが全く変わっていないのは何なんでしょう?
大晦日の「笑ってはいけない○○」を観て「去年と一緒やん!」と思う既知感そのままです(面白いんだけどさ)。
ステージがショッピングモールからカジノへ変わりましたが、スロットマシーンを置いてる場所が多いなってぐらいで印象は全然変わりません。
それに製薬会社がパンデミックを引き起こして全米大混乱!という同社同ゾンビ系の有名ゲームとほとんど同じ展開になってるのはどうなのかと。
ひねりが無いのかセルフパロディなのかは知りませんが。
あっちは話し広げすぎてグダグダになってますが、その轍は踏まないように願いたいですね。
生存者のAIが賢くなって救出率が向上したってのはGOODですが、それは前作が酷すぎたので最初っからこれぐらいやってて欲しかったレベルに到達したというところでしょう(前作のAIは花壇の段差すら乗り越えられないマヌケさ)。
しかし、ウリであるコンボ武器は面白いですね。
たとえば釘とバットを組み合わせて釘バットを作ることが出来る!というものです。
車椅子とバッテリーで電気椅子を作ったり、宝石と懐中電灯でビームサーベル(ライトセイバーというべきか)なんてトンデモ武器を作ったかと思いきや、安全ヘルメット+ビール瓶でいつでもどこでもビールを飲めるヘルメットなんという、自称浪速のエジソンとかの面白素人が作るようなバカアイテムもクリエイトするチャックさんのダークマイスターっぷりにはほとほと頭が下がります。
まさに暗黒面に堕ちたわくわくさんの如し!
欲を言えばきりが無いんですが、もっと種類が多ければ尚良かったと思いました。
正直いって取って付けたような要素なのですが、前作と変わり映えしないゲーム内容でこのポイントはキラッと光るものがあったのは間違いありません。
キュウリと長ナス
それともう1つ、大きく変わった点があります。
それはゴア描写です。
前作の日本語版は海外版とは異なり、ゾンビが部位欠損するという描写はカットされていました。
が、今回の「デッドライジング2」では気持ち良いほど首は飛ぶわ腕は千切れるわでバラバラになりまくり。剣で切れば横に真っ二つ、縦に真っ二つと見事なまでのバッサリ感!
プロデューサーの稲船氏によればゴア描写に海外版との差は無く、全世界共通だそうで、前の日本語版はもうプレイできませんね、ホント。
前作が発売された2006年と今回の2010年、この描写の差は4年で日本の基準が如何に変化したかを明確に示したものと言えるでしょう。
CEROにより導入されたZ区分も当初は何かと規制が多く、何のためのレーティングだ!?と散々言われてきましたが、後々に絶対日本じゃ発売無理だろうと言われていた「マッドワールド」が規制無しで発売されたりと状況はかなり進歩しています。
それぞれの国の基準があって然るべきとは思いますが、本音としては海外より表現が劣るのは悔しいのも確か。この開放化への歩みは大いに支持したいと思います。
あと、大きいキュウリのようなアイテムを拾ったところ名前が「Massager」ってなブツがありました。
ええ、そういうお店にゴロゴロ落ちてましたよ。ムラサキ色のやつとかも。
「GTA : SanAndreas」に「Dildo」ってブツがありましたが、同じ物でしょうな。
PCエロゲならともかく、この手のアイテムが和製コンシューマゲームに登場するのは記憶にありません。
嗚呼、日本のコンシューマゲームも革新を続けているのだなと、万感の想いをもって「Massager」でゾンビのアタマをカチ割る日々であります。
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- 和ゲー レビュー
- 18:14
- comments(5)
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ま、それは仕方ないんでしょうけどね。
でも、日本版でこれは凄いと思いますね。