『BIOSHCK 2(バイオショック2)』レビュー
2010.03.26 Friday
JUGEMテーマ:ゲーム
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このレビューは『バイオショック2』の
レビュー企画に参加して掲載しています。
本企画による金銭の授受等は一切なく、記事の内容に対する
関与も一切受けておりません。
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狂気のディストピア「ラプチャー」再び
2007年、新規タイトルながらも多くの海外ゲームサイトで「Game of the year 2007」を獲得したゲーム、それが「BIOSHOCK」です。
「BIOSHOCK」が大きく評価されたのが、「もう1つの1960年代」に存在した海底都市ラプチャーという舞台。かつては文化・科学・芸術とあらゆる面で栄華を極めた理想都市でしたが人間の飽くなき欲望と闘争により崩壊に至り、狂人と異形のみの住まう魔窟と化してしまった、という設定です。
そして待望の続編「BIOSHOCK 2」も前作同様にラプチャーが舞台となりました。
しかし美しいのは前作譲りですが、当然ながら続編では新鮮味ゼロ。レトロフューチャーなアートワークも見慣れてしまえば物珍しさはありません。
内容も前作通り探索中心のおつかいFPSです。しかしまァ、そのラプチャー探索が結構楽しく、終始銃撃戦やってるようなハードコアFPSじゃないところが普段FPSやり慣れてない私には良かったりしましたが。
目新しい点と言えば、主人公自身が前作の強敵だったビッグダディであることや、保護したリトルシスター(改造幼女)を狂人の襲撃から守ったり、新登場のビッグシスター(成人したリトルシスター。ダディ以上の強敵)とのバトルがゲーム上の新しいアクセントとなったぐらいです。
しかしゲームプレイ自体は前作と同じ+αの楽しさがあるので良作なのは間違いありませんし、グラフィックレベルも非常に高水準にあります。
良く言えば「正当な続編」、悪く言えば「ヒネリの薄い二番煎じ」ってところでしょうか。
ただ、前作の吹き替えは素晴らしく良かったのに、今回は字幕のみになってしまったのは非常に残念でしたね。
時々字幕が消えてしまって読めなくなったこともありますし。
まるで成長していない…
「BIOSHOCK」のレビューでも指摘した通り、難易度は相変わらず低めです。
いつでも難易度設定が出来るのでどうにでもなりますが、前作同様の死んでもすぐ近い定位置からの復活ってのは死に対する忌避感が薄れるので「負ける悔しさ」が無く、ゲームプレイ自体の興奮度を自ずと下げてしまっているように思われます。
それに話を進めるに従って装備が充実してくるので段々簡単になっていきます。上述のリトルシスター保護なんかも最初はかなり苦労しますが、後半はわりと楽勝。それに何と言っても一番最後に手に入るプラズミド(魔法のような特殊能力)が、あまりに強力すぎて「俺、する事無ェw」って状態に。
それとややネタバレで恐縮ですが、ラスボス戦が無いってのも難易度の低さを余計に感じましたね。前作ではラスボス戦がかなり厳しくて最後の最後だけやたら苦労させられた印象がありますが、今回はそれはナッシング。事前にガッチリ装備買い込んで万全の準備を整えて望んだのに、最後のプラズミドと敵を味方にするプラズミドを使っただけで最終戦は殆ど何もせずに終わっちゃって拍子抜けですよw
母と娘と、そして父 のものがたり
ただ、今作で私が大きく評価したいのはシナリオです。
上述の通り、今回の主人公はビッグダディで初期型の弱いタイプ。10年前に殺されたはずなのに何故か復活させられた、というくだりから始まります。
中盤までは前作同様にさほど起伏もなくアッチ行ってアレ取ってこい、コッチ行ってコレ押してこい、と完全にパシリ状態ですが、終盤より謎の少女エレノアとの関係が明らかになるにつれて一気に話が面白くなります。
ラプチャーの支配者ライアン(前作のラスボス)と対立していたカリスマ精神科医ラムとその娘エレノア、そして主人公ビッグダディとの物語。
素晴らしく希望に満ちあふれたグッドエンドは多くのプレーヤーの心を打つでしょう。
そのまんま映画化しても問題ないぐらいのシナリオです。
こういうシナリオを日本の制作者は書けんか?と私は問いたい。
やたら強いラスボスが居なくてもイイんですよ、いにしえの大魔王が復活して世界が崩壊しかけなくてもイイんですよ。もっとミニマムでいいからプレーヤーに訴えかけてくる内容で、クリア後に「良い物語だった…」とじんわり余韻に浸れるようなシナリオを求めたいですね。
いつもの私なら「うひょー!血がドバドバ!グロゲーさいこー!」でMature(成人)指定ゲーム以外はプレイするに値しないッ!キリッ なスタンスですが、「BIOSHOCK 2」に関しては成人指定という枷でプレイ出来ない人がいるのが惜しい!と思ってしまいます。
でも、これはエレノアぐらいの年齢の人と私のような娘親とでは感じ方が異なるかも知れませんが。
なんにせよ「BIOSHOCK 2」はもっと多くの人にプレイしてもらいたいと思える、そんなゲームでした。
- 洋ゲー レビュー
- 01:18
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