『ベヨネッタ』レビュー
2009.12.25 Friday
ムチに三角木馬にヒールで踏みつけ
ゲームの主人公ってのは圧倒的に男性が多いのですが、少ないながらも女性の主人公は存在します。古いところでは「アテナ」や「ワルキューレの冒険」、海外物では「トゥームレイダー」のララ・クロフトが有名ですし、最近では「FF13」がそうですね。
余談ですが80-90年代にPC発で各コンシューマ機に展開された「夢幻戦士ヴァリス」は当時主人公のファンクラブが出来るほどの人気を博していましたが、近年になってエロゲーで再デビューという超異例な展開を見せ、往年のファンを驚かせ(悦ばせ?)ました。
さて今回の「ベヨネッタ」はそれら女性主人公を全て「昔の女」にしてしまうほど魅力的かつエロティカルでチャーミング、アーンドゴージャスな、非常に魅力あふれるキャラクターなのです。
この「ベヨネッタ」のゲームとしての長所はと言いますとまず下記の物が挙げられるでしょう。
「デビルメイクライ」「ビューティフルジョー」の系譜に続くスタイリッシュなアクションで非常に手強くもやりごたえのあるゲーム性。
闇の魔女が光の天使を狩るというインモラルさに加え、打撃銃撃の基本技以外にギロチンや三角木馬などの拷問器具を使ったり魔界より召還獣を呼び出したりとの攻撃バリエーションの豊富さと血煙香る残酷表現。一部で見られるドラゴンボールのような連打連打のどつき合いもまた良し。
そして杉本彩ばりにアダルトな色気をぷんぷん振りまく主人公ベヨネッタの妖艶さ。
などなどいろいろ挙げられるでしょうが、私は何が1番かというと前述の通り「ベヨネッタというキャラクターの魅力」これに尽きるかと思います。
エロカッコイイとは、こういうことさ。
攻撃時に肌が露わになるエロティシズムがステキなのは言うまでもありませんが、ドSキャラなのにふと見せる「おんならしい」可愛らしさや母性が人物造形をより深く見せますし、軽妙なトークも面白い。
見た目で言えば、眼鏡の奥のクールな視線やシャープなフェイスラインなどに見とれた人も多いのではないでしょうか?(手足は長すぎて人間離れしていますが)
はたまた天使とダンスバトルしたり、隙あらば決めポーズをつけたり(どこからともなく当たるスポットライトやシャッター音などのバカ演出も最高!)、エンディング後にはプロモーションビデオのようなダンスムービーがあったりと、ゲーム全編にゲームディーヴァたるベヨネッタの魅力を伝えるプロデュースがふんだんにここぞとばかりに散りばめられています。
無論その魅力は秀逸なゲームデザインの上にこそ存在しうる事は言うまでもありません。単にキャラオンリーで中身スカスカのゲームでは真の魅力など描けるはずもありませんので。
冒頭で女性主人公のゲームとして紹介しましたが、性別関係なくこれほど魅力あふれるキャラクターはそうそういないでしょう。ベヨネッタに「萌える」ではなく「惚れる」、そんなゲームです。
短所は、そう大きな物はなかった様に思います。
難易度高めなのもそれ自体がテイストなので悪い点ではありませんし(VERY EASYだと死ぬほど簡単らしい)、戦闘シーンではしばしば敵に紛れて自分が見えなくなりますが、自分とカメラの位置を考慮しつつ立ち回ればいいのでさほど問題はないでしょう。
ハイウェイ面やミサイル面などの特殊面では若干単調な気もしますが短所とする程ではありません。
ただネットの噂ではPS3版はロードが長いことで評価を落としているそうなので、両機持ちの方は360版がオススメかと。
萌えに媚びたキャラやただ親切なだけのヌルいゲームには食傷気味。たまにはピリッとくる手応えのあるアクションゲームがやりたいと思われるならば是非この「ベヨネッタ」を手に取ってみて下さい。
きっとこのレビューに納得し、ご満足頂けるかと思います。
こいつはくせえ!セガのにおいがプンプンするぜー!
さて、30歳未満の方、ここまでお読み頂きましてありがとうございました。
また次回のレビューにご期待下さい。
誠に勝手ながらここより以降は30歳以上の古参ゲーマーのみを対象とさせていただきます。
それも、若い頃よく聴いていたバンドはBOØWYでもブルーハーツでもなくS.S.T.BANDだったというセガブルーの青き血が流るる生粋のセガっ子のみです。
この「ベヨネッタ」を制作したプラチナゲームズは元カプコンのスタッフが独立し設立したスタジオですが、ゲームの販売元とはいえ何故かやたらにセガ色が強い。
技の中に「バーチャファイター」アキラの固有技「鉄山靠(てつざんこう)」があるのは序の口。(おまけに特定条件下で「10年早いんだよー!」というセリフ有り)
前述のミサイル面の内容はというと、かの名作「スペースハリアー」そのもの!しかもなんと単に似てるってだけではありません。ステージ1の敵キャラ登場パターンがスペハリの1面目をまんま再現しているとは!もう体感ゲーマーのハートを鷲掴みの握りつぶしッ!
弾の吐きようや堅さが違うのでそっくりそのままではありませんが、ぐるぐる廻ってりゃやられない基本テク(しかも柱がないのでなおカンタン)もステージボスの攻略法(1面)もスペハリと同じ手が通用します。
はいマニアさん、ここで1機目やられたーw
さらに特筆すべきはサウンド面。
※ややこしいのでここより「」内文字がカタカナはゲームタイトル、英語は曲名とさせていただきます。
ハイウェイ面でのBGMは言わずと知れた往年の名曲「アウトラン」の「Splash Wave」に「アフターバーナー2」の「After Burner」が使われており「アウトラン2」や「アフターバーナークライマックス」のようなオリジナルのイメージを損なわない良アレンジを聴く事が出来ます。
そして先ほどのミサイル面はもちろんスペハリのテーマ曲なんですがこのスペハリ曲はなんとHiro師匠自らによるアレンジなのですッ!かなり大胆な編曲ですがSSTファンならば必聴でしょうッ!
おおっと、2機目死んだーw
そしてとどめはクリア後のお楽しみ、サウンドテスト。
クリア後に解除される要素でおなじみのモードで、それら名曲が聴けるのですが、曲リストの中に何故か「Splash Wave」や「After Burner」の原曲が収録されています。「ベヨネッタ」本編では一度たりともかからないのにw
なおご丁寧な事に「After Burner」はメロディ有りと無し両方収録。
さ・ら・に!メロ無し版はなななんと「アフターバーナー1」「2」ダブル収録ッッ!
ついに3機目がーッ!ゲームオーバァーーッ!
「アフターバーナー1」の「After Burner」ってメチャメチャレアじゃないですか!?セガ関連の曲は多々聴いてきましたが、初めて聴きましたよ。
「2」のメロ有りこそがスタンダードという風潮の中で「1」のオリジナルって原典にも程があるっちゅうねん!w
ハァハァ…。
これら数々のマニア殺し…、濃いファンならば悶絶してサターンの角に頭うって死ぬレベルッ!
このベヨネッタの恐るべき毒婦っぷりは、伊達に魔女をやってないって事でしょうか。
…しかしこのレビュー後半、どんだけの人がついてきて共感してくれてんだ?w
- 和ゲー レビュー
- 23:46
- comments(4)
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これをアピールしないでひっそりと収録しているあたり
もまたもったいないような気もw