『いろづきチンクルの恋のバルーントリップ』レビュー
2009.09.12 Saturday
救国の英雄はブサメン35歳彼女無し無職童貞(多分)
コンピュータゲームの良いところの1つとして、なりたい者に手軽になれるということが挙げられるでしょう。
伝説のイケメン勇者、天翔る宇宙の戦士、世界一の格闘家、F1レーサーにギャングスタ、学校一のモテ男に12人の妹を持つ兄となんでもござれです。
「いろづきチンクルの恋のバルーントリップ」の主人公チンクルは35歳彼女無し無職とまったく冴えない生活を送っていましたが、ある日通販で買った本により異界へと飛ばされてしまいます。そこで知り合った仲間たちと旅をしながら助け合い協力し、各地の女性に惚れられながら最後には救国の英雄となりプリンセスまで虜に出来るという、これはまさにリアルチンクル男子の願望をまるごと叶えた夢のリア充ゲームなのです。
仲間となるのは3人。アホのカカシ、心ないブリキ、ヘタレのライオン。
そう、「もてチン」の基礎となっているのは「オズの魔法使い」。チンクルはお城の舞踏会のために、3人の仲間は自分に足らないものを王様に授けてもらいに旅をするのですが、最後に3人の願いがどうなるかは言わずもがなでしょう。
特にライオンは4人の中で一番マトモなので描きやすかったからか、成長してゆく様が丁寧に語られていて好感度高かったです。
「もてチン」ではオズ以外にも様々なパロディやオマージュが登場します。
ゼルダやマリオの効果音が使われていたり、地下ダンジョンはWizardry、砂漠の戦闘はファイナルファンタジー風。アイテムや脇役にもどっかで見たようなモノが出てきますので、それに気付いてニヤリとするのもまた1つの楽しみ方でしょう。
(個人的にはダンジョンで壁にぶつかった時の「Oops!」がツボでしたw)
あとファミコン調のミニゲームがあったり最終ステージはシューティングっぽかったりと趣向を凝らした場面が多く、最後まで飽きさせません。
システムとしては画面内のオブジェクトをクリックして調べたり会話したりするタイプですが、プレイした感触はアドベンチャーと言うよりは戦闘のないスーファミRPG的ですね。旅をして新たな土地に着き問題を解決するの繰り返し、という定番パターン。主人公チンクルが突飛なキャラですので一見風変わりなゲームなのかと思いきや、割りかし実はオールドスクールな王道モノだったりします。
時をかける中年
ただ、タッチペンオンリーでの操作はちょっと面倒くさかったです。文字送りぐらいはAボタンとかでやらせて欲しかったですね。
それと既読テキストのスキップ機能は是非付けておいて欲しかった!
チンクルは魔法使いのオバサンに貰った風船で時間をさかのぼる事が出来るのですが、行った先戻った先によっては一度見たイベントをまた最初から見せられるのが鬱陶しい!特にラスボス前はやたら長くて最悪でした。
王道シナリオに笑いをちりばめ、愉快な仲間と個性的な演出。
かなりオススメです。大人も子供もおねーさんも、誰もが楽しめるゲームでしょう。
しかし、チンクルの容姿・設定をネタだと気にしない人は問題ないでしょうが、クリティカルにハマってしまうピュアな紳士はご注意あれ。チンクルは初対面の人からは非道い扱いを受けますし、要所要所で
「ニートでさえないキモオタおとこ!」
などとグサグサ刺さる台詞が出てきますので、これらのリアクションや悪態を華麗にスルー出来る方のみオススメします。
あるいはむしろ罵倒されることで悦びを感じる方かw
- 和ゲー レビュー
- 22:22
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