『朧村正』レビュー
2009.05.06 Wednesday
むかぁしむかしある所に、妖刀を手にした若者がおったそうじゃあ〜
私は基本的にゲームのグラフィックなんてのはただの包装紙と思っていますので、グラフィックが美しい!なんてのはあまり評価しません。
特に写実的なものはすぐ見慣れますし。
しかし、まれにそのグラフィックに誘われて買ってしまうゲームがあります。
今回の「朧村正」がまさにそれ。何かの紹介記事で富嶽三十六景や風神雷神の屏風絵をモチーフにした背景グラフィックを見た瞬間に「買いだ!」と即決でした。
開発元のヴァニラウェアは美麗な2Dグラフィックに定評のあるディベロッパーでしたが今までここの作品はプレイした事がなく今回の朧村正が初プレイとなりましたが、グラフィックはもとよりプレイ感もすこぶる良くとても満足出来る作品でしたので今後とも要注目でいきたいと思っております。
遊郭の夜桜、すすきの原、荘厳な寺社、陰鬱な山道、心安らぐ峠茶屋、荒波の海原、清涼な沢、寒風吹きすさぶ雪山と美しき日本の原風景が壮麗なタッチにて描かれています。
が、やや使い回しが多いのも事実(マップ構成も含めて)。ここはもうちょっとバリエーションを増やして欲しかったですね。
朧村正は背景画が素晴らしいほかにキャラも実によく動きます。主人公達もザコも躍動感バッチリですし、鬼や入道などのボスも力強い!3Dのデカキャラとはまた違う迫力があります。
ついでに言えばマッチョキャラの筋肉表現が異様にイイ感じw 駕篭かきなんて板垣漫画に出てきそうですよw
さらに食べ物のアニメーションがまた凝りまくり!やたらにプルップルのぷりんぷりんw
肉厚お揚げのきつねうどん! ドデカいエビの天麩羅そば!
ああッ!食いてェー!となること請け合いです。
例えば「GTA IV」や「Fallout 3」、最近では「Killzone 2」など圧倒的に美しいグラフィックのゲームが次々リリースされ、写実的なグラフィックはもう行き着く所まで来た感がありますが、こと2Dグラフィックにはまだまだ開拓の余地がありますね。
帯引きは男のロマンです!
基本は攻撃ボタン連打でどんどんサクサク進みます。無双モードは「初心者でも安心」というだけに相当ヌルい。ラスボスもそんなに苦労しませんでした。何度かやられたことはありましたが、直前よりの復活なので死に対するペナルティも全然無し。
単純に俺tsueeeeeeeeeee!!!したいなら文句なしでしょう。
対して修羅モードはとても手応え有り。と言っても解説に「心の折れない人向け」とありますが、そこまでムチャにムズい訳ではありません(刀は折れまくりますが)。
中盤頃になってちょっと操作に自信がついてきたら試されてみてはいかがでしょう?
この間口の広さは評価したいですね。
ただ死に対するペナルティはもうちょっと何かあっても良かったかと思います。
それとレベルアップしても強い刀を作っても、あまり「強くなった」という感じを受けませんでした。ザコもそんなに種類豊富な訳じゃなく忍者やら天狗やらと何度も戦いますが、こちらのレベルに対する補正がかかっているらしく、最初から最後まで同じぐらいの手応えのザコが出てきます。なので最初は手こずっていた敵が今ではイチコロなんてことがありません。(プレーヤー自身のレベルアップは別として)
アクションゲームですからある程度の手応えがあるべきなのは分かりますが、その分成長を感じる事がスポイルされたのはちょっと残念ですね。
妖刀も108本とかなりの数がありそれぞれの特性・必殺技がありますが、それを吟味するまもなく次々取っ替え引っ替えしますので、1本1本のありがたみが薄いのもまた勿体ないかな、と。
20-30本ぐらいの数でそれぞれの刀を熟慮しつつプレイするスタイルの方が良かったかもしれません。
システムはおおむね良い出来でしたが、移動が少々めんどくさいのが残念。
京から武蔵(江戸)までいくつかのマップに区切られているのですが、物語の展開上では5-6マップ分ぐらい移動しなければならなかったりしますが、新規の場所ならともかく一度通った道は一気にすっ飛ばせるシステムが欲しかった。一応、駕篭や船という移動手段もありますが、一方通行だったり乗車拒否とかでなかなか思う方向へは運んでくれません。
シナリオもなかなかイイ出来でした。
朧村正は2主人公につき3エンディングのあるマルチエンディングですが、私としては鬼助(男主人公)の通常エンドが良かったです(真エンドは未見ですが)。
劇中でも狂言の「附子(ぶす)」や落語の「まんじゅうこわい」などの話がちょろっと挟まれていたり、大鬼の言動がまさに昔話のソレだったりと、どことなく懐かしさを感じられるのもまた楽し。
もちろんお約束の悪代官&越後屋トークもあり。かどわかした町娘の帯を引っ張ってア〜レ〜!というのが無かったのは残念でしたがw
秋には北米でも発売されるそうですが、六道輪廻やお稲荷さん、四十九日など日本式の仏教や神道の下地ありきで書かれたこの物語。どう評価されるのか楽しみです。
エロ要素は重要です
登場キャラクターも魅力的な面々でした。
純粋な善も悪も存在しないのがまた日本的といえるかもしれません。人間はもとより龍神も地獄の鬼ですら完全ではないところが。
それと女性キャラ群のカバー範囲の広さもまた特筆すべきかとw
女主人公の百姫は江戸時代なのになぜかニーソで絶対領域というコスチュームで、もう1人のヒロインは幽霊馬を駆る鎧武者。さらにロリっ子修験者に妖艶な花魁(くるわ言葉がまた良い)。人外では巨乳のキツネ娘×2(ネコ耳ならぬキツネ耳)に人魚とほぼ全裸のマッチョな雷神!
「Theガッツ!」かと思いましたw
エロ要素もぬかりなく。
エロといっても、タッチペンで魔女っ子をつつきまくったり、甲冑娘をアーマーブレイクでひん剥いたり、風呂場でバナナ食うようなものではなく、温泉で女性キャラの腰ラインが見える程度のソフトなモノですが、やたら頻繁に温泉に入れます(要は回復場所)。
むしろ食事するより多いぐらいに。
でもね、アクションゲームで要所要所でエロ要素が入るってのはイイんですよ。
ハードなアクションで興奮して頭に上った血液を下にさげる効果がありますからねw
美しいグラフィックに和テイストあふれるサウンド、練られたシナリオに間口の広いアクション。Wiiで上質のアクションをお求めならば「朧村正」は断然おすすめです。
続編もまた出るっぽいのでそちらも期待しています。
- 和ゲー レビュー
- 23:45
- comments(3)
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428もやりたいのでWiiが欲しいです。360じゃなくてWii買えばよかったです。まあ360もいいソフトいっぱいありますが。でもポスタル3でないしなあ。
428は、あんまり売れてないようで残念でした。
売れまくってくれれば、街2もあったかもしれないのに。
街は、その後に売れた人が何人かいるので、ギャラが心配ですしね。