『ストリートファイター IV』レビュー
2009.02.28 Saturday
Here come a new Challenger!
対戦格闘ゲームの祖にして最大のタイトル、それがご存知「ストリートファイターII」!
シューティングゲームがやや廃れつつあったゲームセンターに、6つボタンという異形のデバイスをひっさげて登場し、あっという間にアーケードの主役の座に着いたゲーム史に燦然と名を残すビッグタイトルです。
ちなみに、初代「ストリートファイター」も6つボタンのテーブル筐体が出ていましたが、圧力センサー内蔵のドデカいボタンを殴って強弱を打ち分けるというマッチョなアップライト筐体こそがスタアでしたので、6つボタンはあまり注目されませんでした。
「スト2」ヒット後はダッシュ、ターボ、スーパー、スーパーX、ゼロ…とアーケードゲームとしては異例なほどシリーズを重ねたもののマニア化・精鋭化が進み、一見さんやライトプレーヤーには遙か手の届かない物に。
一時代を築いた対戦格闘ゲームもそれ以前に君臨していたシューティングゲームと同じ轍を踏んでしまったのです。
しかしッ!このアーケード冬の時代に10年ぶりのナンバリングタイトル
「ストリートファイターIV」が満を持しての登場ッッッ!!
ポリゴン3Dでありながら2D格ゲーの操作感。ま・さ・に「スト2」の手触り。
スト3までのマニアックさは抜け、スト2プレイヤーだった方なら違和感なくプレイ出来ます(投げなどはちょっと違いますが)。
残念ながらキャプテン・サワダは落選
そんな大好評だったアーケード版がX-box360やPlaystaion 3に移植されました。
キャミィやさくらなどの懐かしいキャラを追加し、さらにアーケードモードではスタート時とエンディング時にアニメパートの挿入、ライバルバトル(ラスボス戦手前の戦い)では中間デモが加わるなど非常に満足度の高い追加要素が加えられています。
ただ、COMが強めなのがちょっとしんどいですね。
NORMALはまぁ良いとしても、EASYでも慣れないうちは終盤かなり手こずります。最弱のEASESTでも意外に攻撃してきますので、ここらでは初心者がガチャ押しでクリア出来るレベルにすべきだったのではないでしょうか。
ラスボスのセスも闘ってて楽しいタイプのボスじゃないです。
ワープ移動して即投げられたり、吸い寄せられて強い技を決められたりとか、理不尽とまでは言いませんが強力な必殺技を多々持ってるので、ボコられまくると凄くやる気を削がれます。
ネット対戦は良好。
海外の相手なのか、たまにラグがひどくてゲームにならない時がありますが、おおむね問題なしかと。
システムとしては1人用モードをプレイしつつ乱入を待つ「アーケード待ち受け」が非常にイイ感じ。スト4に限らず他の対戦ゲームもこのシステムを導入して欲しいですね。
ただ、待ち受け設定を自分と同じ程度の成績の相手と指定しているのにもかかわらず、勝利ポイントに差がある相手とマッチングされるのは勘弁して欲しかった。その差が分かるのも勝敗着いてからですし、せめて事前に分かっていれば拒否も可能なんですけどねェ。
初回特典のアニメDVDも素晴らしい。
1時間もの新作アニメがオマケでついてくるなんて流石カプコン、太っ腹!
ぶっちゃけて言って「ムチャクチャ面白れェー!」って程ではないですが、十分許容範囲かと。でもちょっと絵柄があまり良いと思わなかったのと、出てこないキャラがいっぱいいたのはちょっと残念。サガットぐらいは出して欲しかったな。
コンシューマ版スト4。期待にそぐわぬ素晴らしい出来です。
俺より強い奴に会いに行っていた君へ
おおよそのイメージですが、当ブログの閲覧者はおおよそ20代男性が多いかと思います。
が、あえてその方々は外して語らせて頂きたい。
30代、特に後半アラフォーな方。青春をスト2にゲーセンに捧げていた様な方。
ネットの無かった時代。ゲーメストを熟読し、ムック本のマイキャラの項を繰り返し繰り返し読んでいたような方へ語らせて頂きたい。
スト4、これをやらずしてどうする!?
開発者も言っています。かつてのプレーヤーを呼び戻したいと。そのための原点回帰だと。
これはまさに現オッサンゲーマーあるいはかつてゲーム小僧だった
我らへのラブレターであり挑戦状ではないでしょうか!
やれッ!やってみろッ!
パッドを持て!スティックを握れ!6つボタンに手をかけろ!
家に360かPS3が無い?だったらゲーセンに行けばいいでしょう。
この歳で行くのは恥ずかしいだ?自意識過剰な女子みたいな事言ってんじゃねェ。
誰もオッサンがゲームしてる姿なんぞに興味無いわ!
昔スト2をやり込んだが離れて久しいという方。騙されたと思って数プレイしてみてください。
コンボ・攻撃パターンはすっかり頭の中から消えてしまっているかもしれません。
しかしスト4をやり始めてしばらくした時、ふと考えるより先に腕が動く瞬間が訪れます。
そう、それはかつて何百回、何千回、何万回と入力したコマンド!
ただ勝利を目指して努力と敗北と研究と鍛錬と情熱と特訓と挫折と研鑽とを積み重ね、入力した数だけ確かな形で
腕に刻み込んでいったそのコマンドッッッ!!
この感触!
眠っていた内なる獅子が目覚めるに似たこの感触ッ!!
この歴戦の闘士のみ許される覚醒を皆さんにも是非感じて欲しい!
この歳で今更ゲームなんて?
産まれて何日経ったかがそんなに重要か?
肝心なのは魂だろうが!
熱くたぎる血潮を俺たちは対戦ゲームという闘技場で燃やしていたんじゃないのか!!!
時は移ろい、スト2の頃から比べるとゲームの内容・表現力は大きく進化しました。
が、貴様のハートはどうだ!?錆びついていやしないのか!?
仕事や家庭に埋没していやしないのか!?
え?さんざん暑苦しく偉そうに語っているけど、私の対戦成績はどんなものなのかですって?
…そんな余計な事は聞かないのが大人ってモンでしょう!
- 和ゲー レビュー
- 14:04
- comments(6)
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お疲れ様でした、すごい熱と愛の篭ったレビュでしたね。でもこうしたカプコンのおかげで、新規も懐古も現役もたくさんのユーザーが楽しんでいるのだと思います。
我々は現役、に括られると思うのですが、不思議と任天堂に見られるライトユーザーに対するそれとは違い、スト4では皆で楽しもうぜ!って気持ちになれる秀逸な出来ですよね。
ちょ、キャプテンサワダが出たら…www 吹きまくりですねwww 残念ながら、ってその表現に脱帽です。
まだ引退じゃないですよね?細く長〜く遊びましょう!