「Fallout 3(フォールアウト3)」レビュー
2009.02.21 Saturday
Welcome to this crazy time !
このふざけた時代へようこそ
2077年、世界は核の炎に包まれた。
地は裂け海は枯れ、あらゆる生命体が絶滅したかに見えた。
だが、人類は滅亡していなかった。
核戦争で崩壊したかつてワシントンDCと呼ばれた地に、いま、一人の英雄が降り立った…。
と、今回の「Fallout 3」はどこかで聞いたような設定のゲーム。
荒野で全身トゲトゲのスパイクアーマーを着たモヒカンがヒャッハー!と襲いかかってくる様はまさしくハイデフ北斗の拳。正確には「マッドマックス的」(北斗の拳の元ネタとなったメル・ギブソン主演のオーストラリア映画)と言うべきでしょうが、育てようによっては巨漢を素手で殴って頭部を破裂させるといったケンシロウプレイも可能ですので、やはりここは「北斗的」と言いたいトコロ。
開発は「The Elder Scrolls IV : オブリビオン」のベセスダ・ゲームスタジオ。
とにもかくにも良くできたゲームです。
荒涼とした世界の描写は筆舌に尽くしがたいほど美しいし、個性的な登場人物、多彩なシナリオを思うがままに掻いつまめる高い自由度。システムもオブリビオン+新システムといった感じで、ただでさえ優れていたシステムをさらにグレードアップさせて文句の付けようのない物に仕上がっています。
キャラクターのモーションがややぎこちないのや、地形にハマって身動き取れなくなったりするのは相変わらずですがw
困っている住人の願いを聞き、悪漢どもを蹴散らして世紀末救世主伝説を作るも良し、
住人を虐殺しイタイケな子供を奴隷商人に売りクスリに溺れるという外道プレイも良し。
無秩序な世界の中で清く生きるか悪に染まるか、それはプレーヤーの手に委ねられています。
この腐敗と自由と暴力のまっただ中
「失踪した父の足跡を辿る」というメインシナリオは大きな幹として在りますが、「オブリビオン」あるいは「Fable 2」同様むしろ横道のほうが楽しいのは出来の良い洋物RPGの特徴です。
父は○○に行ったと聞き、そこに向かう途中で見知らぬ集落を発見。そこで人と話しているウチに気が付けばメインミッションそっちのけで依頼事をやっている、なんてのはしばしば。
むしろ色々見つけて思うがままに進めて、難しいと思えばほったらかしにして興味あることに進む。そういった自由さが楽しくてたまりません。
攻略プレイ一辺倒ではなく、思うがまま在るがままに事象を楽しむ。
これこそが「Fallout 3」プレイの正しいスタイルでしょう。
出来が良い点はそれだけではありません。日本語化のローカライズもまた素晴らしい。
相当数のテキスト量にもかかわらず実に丁寧に日本語化がなされ、全セリフ・文章が翻訳・吹き替えされていますし、住人同士の世間話ですら吹き替えされています。主人公関係なし・イベントでも無しにもかかわらず、です。
「オブリビオン」では男言葉/女言葉が混在して屈強な戦士が急にオネエ言葉になるなどややおかしい箇所が見受けられましたが(そもそも英語にはそんな言葉がないのでしょうがない)、「Fallout 3」は殆ど気づかないレベルまで解消されています。
「Fable 2」のローカライズも非常に良い仕事をしていましたが、「Fallout 3」もまたスゴすばらしい。
両方のローカライズ担当者には惜しみない拍手を送りたいですね。
ただ、取り消されたミッションは残念でした。
不発の小型核爆弾を中心とする町があるのですが、それを起爆するというミッションが削除されたのです。(正確には起爆の対となる無効化のみのミッションとなった)
確かに被爆国である我が国からすれば核爆発を起こすというのはデリケートすぎる問題だというのは理解できますが、既にそういった漫画やアニメは存在しますので何を今更という気もしなくもありません。日本語化も済んだ状態でのカットですからギリギリまで折衝したうえでの決断だったのでしょうが。
ちなみに裏技にて日本語でもこのミッションを行うことは可能だそうです。Youtubeやニコニコ動画でも見られますので、興味のある方はどうぞ。
プレイしていて1つ興味深かったのが、物語を通して透けて見えるアメリカ人の母国に対する国家観でした。
核戦争で崩壊して200年後の世界なのに大統領はラジオを通じて熱弁をふるい、住人も「ここはアメリカだから」などと喋り、リンカーンや独立戦争関連のイベントがあったりと、混沌の底のような現状にもかかわらず「偉大なるアメリカ」は未だ健在。
それだけに異国人である私からすれば、そこはかとないアメリカという国の気持ち悪さが端々に感じられるのが面白かったです。しかしイベント上でそういった部分を揶揄するところがしばしば見受けられますので、意図的に盛り込まれたものなのでしょう。
ハリウッドの脳天気な極右映画とは違いますね。
こういった繊細なニュアンスは異国人には永遠に理解し得ないものですが、当のアメリカ人プレーヤーはどう捉えているのでしょうか。
わははは土下座しろ!!消毒されてえかー!!
「オブリビオン」同様に「Fallout 3」も顔クリエイトを非常に細かく作ることが出来ます。人種・性別の選択も可能。(でもオブリはトカゲ人間や獣人とかも選択出来たので退化したと言えなくもないですがw)
理想のルックスを求めてついつい作り込んじゃうのは同じですね。
なお、髪型にモヒカンスタイルがあるので、ザコから奪ったスパイクアーマーと火炎放射器があればおなじみの「汚物は消毒だ〜!」が出来ます。
北斗の拳ファンならば一度はやって頂きたいトコロw
「Fallout 4」ではデカいババアも実装して欲しいですねw
- 洋ゲー レビュー
- 22:25
- comments(17)
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よく北斗・マッドマックスは話に出てきますがまさにですねw
世界観は近いものがあるかと
これこそベセスダ!!と言える作りこみはやはり圧巻
寄り道もあちらこちらに
レビューにありましたローカライズも素晴らしい・・・あっ!すご素晴らしいみたいでww
私は北米PS版がやっと終盤?にきました^^;
箱はまだキャラメイクw
山のようにある積みゲからぬけだせませんw
以前お話したデモンズはなかなかのマゾゲでMには鉄板かもw
あとは今週発売の龍3の体験版プレイしてみました・・・
良くも悪くも『龍』だなという印象
と話がそれました;
今年も始まりから良ゲーだらけ・・・
また楽しみな一年になりそですね^^
G