『Mercenaries 2 : World in Flames(マーセナリーズ2 ワールド イン フレームス)』レビュー
2008.10.09 Thursday
日本語版11月20日発売予定
※当レビューは若干のネタバレ記述がございます。気にされる方は閲覧されませんようお願いします。
2008年 北朝鮮にてクーデター勃発
今回はド派手な軍事アクションが話題の「Mercenaries 2」を紹介します。
2004年、小泉首相(当時)が2度目の訪朝を行い、北朝鮮に拉致された被害者の方々が日本に帰ってきました。
その後、遺骨問題やミサイル発射実験などでもめていたのが翌年2005年。
日本国内でかつて無いほど北朝鮮が耳目を集めていたその年に前作「Mercenaries」は発売されました。「Mercenaries」は2008年に北朝鮮内にクーデターが勃発。国連や中国・韓国軍が軍事介入し、その各勢力に雇われる傭兵の活躍を描いたゲームです。
開発元のPandemic Studioはロサンゼルスの会社ですので、そんな日本の事情など知るはずもなかったでしょうが、何にせよ奇跡的なタイミングで発売されたことに違いはありません。
ちなみにクーデター蜂起の首謀者は偉大なる将軍様の息子という設定でしたw
私もGTAフォロワーとしての期待よりも「あの北朝鮮で暴れられる!」という点にそそられて購入し、どんなならず者国家かと思いきや、やはり近い国だけあって村の景色や建築様式などどこか日本の田舎を彷彿させる雰囲気が興味深かったですね。民家の軒先にある瓶はキムチ漬けてる瓶だろうか?とか、寺院の様式は日本のモノより中国ぽいな、とか。
と言っても、勿論マップは地理に忠実ではありませんし相当デフォルメの入ったデザインでしたが(核に汚染されて澱んだ場所などは凄かったw)。
しかし「Mercenaries」の最大のポイントは舞台ではなく破壊の爽快さにあります。
ビルやトーチカに向けて空爆支援を依頼しバンカーバスターやクラスター爆弾、挙げ句の果てには燃料気化爆弾と、傭兵の分際でどこまでやってんねん!とツッコミ所はあるものの破壊のカタルシスは他の追随を許さない群を抜いた存在でした。
破壊はサイコー!破壊は。
そして待望の続編「Mercenaries 2」はどうだったのかと言えば…ぶっちゃけ前作の方が出来が良いです。
私がプレイしたのはXbox360版(PS2/3版もあります)なので当然ながらグラフィックは向上し、肝心の破壊エフェクトもこの上なく最高ッ!!
序盤勢力の石油会社の本拠地をデイジーカッター(超強力な爆弾)で破壊した時など、悪役ボスのように「ハーハッハッハ!」と思わず高笑いしてしまいましたw
本当にああいう笑いって出るモンだと初めて知りましたわw
サブミッションでも前作のような重要人物を捕獲or殺害せよ、というもの以外にも敵の建造物を破壊せよ、ってのもあります。
メインミッションもサブも破壊モノが多くなった印象です。
で、それはそれでイイんですが、問題はミッションの内容が非常に単純で似通ったモノが多い事です。
ストーリークリアだけでしたら恐らく10数時間程度で可能でしょう。ミッション数はかなり少ない目。そしてその半分ぐらいは拠点の奪取。敵陣営に乗り込み、敵兵を殺害、対空兵器を破壊し味方兵士を一定数呼び込む、といった内容。
楽しくて面白いんですが、それバッカリってのは…ねェ。
他は拠点防衛、施設破壊、要人殺害で、主要ミッションはその4パターンのどれかです。
前作のほうがまだバリエーションに幅があったように思います。
前述の「重要人物を捕獲or殺害」も前作では「Deck of 51」として湾岸戦争時末期に敵側人物を51枚のトランプカードに例えたものを模した設定があり、マークごとにキャラ付けしていましたが、「Mercenaries 2」では数こそ増えたモノのただの名も無き偉いさん。やり甲斐は薄い。
シナリオもかなり単純。
別に驚くような展開も無し、ラストも「これで終わり?」ってな呆気なさです。
前作ではCNNのような報道番組のシーンで展開を伝えていましたが、そういうのもまた抑えめ。主人公目線で物語が進むありきたりっぷり。
前作と比較して、見た目と演出は上がってますがゲームデザインが劣化してます。
基本的にゲームの続編って前作に要素をプラスして作るのが普通ですが、「Mercenaries 2」はマイナス項目多し。
でも決してツマんなくはないんです。どちらかと言うと面白いゲームですよ、コレは。
敵地に殴り込みに行ってドンパチやるのも、戦車で車輌破壊して敵兵轢いたり、戦闘ヘリの機銃で蹂躙したり、空爆でビル破壊するのもとても楽しいんですねw
でも少し引いた視点で見てみると、どうも単純さが目につきます。
非常に惜しい。
もうちょっとデザインを練り込んで欲しかった。
あと、バグが多いらしいです(気になるレベルでは遭遇しませんでしたが)。
それに敵兵の挙動が時折おかしくなるのも興ざめですね。
トーチカから引っかかって動けないヤツとか、主人公が目の前にいるのにボーっと突っ立ってるヤツとか。
カーナビもアホ。よくウソ方向指したり、道のりじゃなく直線指示するのはどうよ?
ここら辺は作り込みの足らなさですねェ。
ランボー4のようにミャンマーってのもアリかも
「Mercenaries 2」の舞台は南米ベネズエラです。
序盤は主に石油会社や反政府ゲリラから依頼を受けますが、後半は中国軍と連合軍が登場。プレーヤーは最終的にどちらかにつくこととなります。
前作は北朝鮮が舞台ですので中国が介入するのは分かりますが、今回ナゼに南米まで出しゃばってきますかね?登場時に説明が為されていますが英語なので詳しいことは分かりませんが、理由付けがあるにせよ中国の介入はやや疑問です。
冷戦時のソ連じゃあるまいし。
勝手な予想ですが、今アメリカって国は中国を仮想敵国としてるんじゃないでしょうかね?近年の中国の台頭とその軍事費の増大っぷりに脅威を感じている、と。
ロシアは隣国とイザコザがありますが世界レベルでは今はそんなに目立つコトしてませんし、中東はテロリスト相手なので、分かりやすい相手として中国が指されているのではないでしょうか?
(私は軍事オタクでもなし、アメリカの軍事論を知ってる訳でもないので全く勝手な妄想ですが)
さすれば「Mercenaries 3」があるとすれば、チベット・ウイグルあるいは台湾あたりなんかが有力ではないでしょうかね?
トム・クランシー原作作品のようですがw
- 洋ゲー レビュー
- 00:21
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体験版を落として少しプレイしてみたり。
MAPはかなり広いんでしょうか?
GTAみたいな感じかな?
ジャストコーズの匂いが少ししますw