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『大合奏バンドブラザーズDX』レビュー

大合奏バンドブラザーズDX


音を楽しむという行為

少し前、某施設の催し物コーナーで世界各地の楽器の展示を見ました。
原始的な楽器を中心に並べていましたが、実によく似た構造の楽器がまるで違う複数の地域で存在したなどという点が非常に興味深かったです。

「音を奏でる」行為は古来よりどの時代どの地域でも見られ、そこに喜びを見いだすのはヒトとしての本能なのでしょうか。


個人的な話で恐縮ですが、音楽無くして生きてはいけない!といった「NO MUSIC, NO LIFE.」な方が多い中、私は音楽というもののプライオリティが人より低かったりします。
カラオケは好きですが(一時期店長やってましたw)、お金払ってライブやコンサートに行ったこと有りませんし、CDも殆ど買ったことありません(ゲームミュージックを除けば10枚も無いかも)。
楽器も当然弾けません。音楽の授業は苦痛でした。

しかしそんな私にも「音楽って楽しい〜♪」と思える出会いがありました。
ご存じ「パラッパラッパー」です。
音楽の楽しさを上手くゲームに落とし込んだ名作。
「面白いからやってみ」と友人に勧めたものの、あっさり私より上手くなられてしまい、自分の音楽の才能の無さを改めて痛感したりしてましたがw
その後も雨後の竹の子のごとく出てきた音ゲーを色々と楽しんでいました。

しかし、折角ブームとなった音ゲーはコナミの寡占でマニア化が進み、今ではアーケードでは完全にマニア御用達のシロモノ。私も早々にリタイアです。


しかし実に久々に音楽の楽しさを思い出させてくれるゲームが出ました。
「大合奏バンドブラザーズDX」です。



上手なウソ

このゲームでは「演奏」「歌う」「作曲」の基本モードとさらに「ラジオ」まで聴けてしまいますので、人それぞれに好きな楽しみ方で接すればイイというのがステキです。
ウチの子供はダウンロードした「ポニョ」や「ドラえもん」などの曲ばかり歌っていますし、私はもっぱら「演奏」のみ楽しんでいます。と言っても「アマ」か「ビギナー」ばかりで★4つぐらいの簡単なものしか出来ませんがw

このゲームで一番素晴らしいのはヘタはヘタなりに楽しめるって点です。

パラッパもビーマニも失敗が続けば即ゲームオーバーでした。こっちは楽しくやっているのにダンッ!と曲を途中で無惨に打ち切られる絶望感は音ゲーをプレイしたことのある人なら誰しも味わったことがあるでしょう。
しかし「バンブラ」なら最後の評価値は低くいとしても、音程がズレてようとキーを間違えようと最後まで演奏させてくれます。(パラッパはステージクリア型、ビーマニはアーケードなのでゲームオーバーが存在するのは必然ですが)

このヘタでも楽器を弾いてる気にさせてくれるという感じが凄く楽しいんですね。

良いゲームの条件としてその気にさせてくれていると言うことが挙げられるでしょう。
冒険している気になる。敵と戦っている気になる。
運転が上手くなった気になる。問題を解決した気になる。
このウソのつきようが上手ければ上手いほど良いゲームと言ってイイと思います。
そういう点で言えば「大合奏バンドブラザーズDX」は文句なしの合格点でしょう。

ただ、他プレーヤと合奏してもメインで聞こえるのは自分のパートですので、あまりセッション感ってのが感じられないのは残念でした。
Wiiにて「スピーカーチャンネル」というものも用意されているので、これを使えばまた違うのかもしれません。


それとなんと言っても楽曲ダウンロード
ユーザーが「作曲」した楽曲をオンラインで公開出来るというのは凄い!
新たなコンテンツの提供をユーザーにゆだねるというのは権利にしろ運営にしろ色々と大変でしょうが、スタンドアローンが基本なゲームの世界を大きく解放した任天堂の仕事っぷりは賞賛に値します。
落とせるのは100曲まで、削除不可、ネット環境が整っていることが前提と色々制約はありますが、これ無くして「バンブラ」は語れません。

逆にネット環境がない方は非常に物足りな〜いゲームになってしまうかも知れませんが。



ある意味変態チックな国民性

歌う・奏でる・作る・聴くの音楽を楽しむ行為を全て網羅しているという恐ろしく守備範囲の広いゲーム。
ゲーセンでノリノリで音ゲーやって周囲をひかせてる人、実際にバンドやってんので楽器演奏ならオマカセな人など音楽スキルの高い方はもちろん、リズム感がないのでと音ゲーを敬遠してる人、飲み屋でイマドキの歌を完璧に歌ってお姉ちゃん達の注目を浴びたい思ってる人等々、ありとあらゆる人にお勧め出来るのが「大合奏バンドブラザーズDX」。

これほど万人向けなゲームは無いんじゃないかとすら思えます。


かなりベタ褒めですが、私は任天堂開発陣はよりはむしろ全国あまたの作曲職人にこそ賛辞を送りたいですね。何の報酬もない上で幾つもの名曲を提供し続けてくれている彼らの努力の上にこの「大合奏バンドブラザーズDX」の賞賛があるのですから。

かつてX-box360用タイトル「Forza Motorsport 2」というレースゲームで、カスタムペイントが出来る機能(といっても自由に絵が描ける訳じゃなくカッティングシートをぺたぺた貼れるという程度のもの)があり、そこで日本ユーザーは異常なまでにクオリティの高いカスタムカー(特に痛車多しw)を次々生産し他国ユーザーの度肝を抜いた、という事がありました。
やや不自由な環境下でこそやたらレベルの高い仕事をやってのけるというのは日本人の得手とするところですが、「バンブラ」の作曲群もそういった特性が出ているのかもしれません。



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