『機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威』レビュー
2008.03.08 Saturday
えぇい!系譜の続編はバケモノか!
日本中の男子が大好きなロボットアニメ「機動戦士ガンダム」(作品によっては●女子人気高し)。
ロボットという素材はゲームと親睦製が高く、特にガンダムはファミコン以前の時代からゲームの題材にされ続けてきました(非公認の物も含めて)。
そのあまたのガンダムゲームの中でも際だってハードな内容で知られるのが「機動戦士ガンダム ギレンの野望」。
もしゲルググでなくギャンが量産されていたなら?
もしガルマ・ザビが生きていたなら?
など数々の「if」体験できる硬派なシミュレーションとして高い評価を受けました。
そして今回そのシリーズの最新作がPSPにフォーマットを移し
「機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威」として発売されました。
セガサターンより始まった「ギレンの野望」も今回で5作目。しかもゲームシステムはPS版「機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオンの系譜」を継続という先祖返り仕様です。
通常、ゲームの続編とはシステムを継承する場合は前作のものを引き継ぐのが多いですが、そのPS2版「機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオン独立戦争記」は「あえて言おう、カスであると」なシロモノだったためにファンから酷評・罵倒され、今回はれて「私は還ってきたァー!」と「系譜」システムの復活となりました。
私自身、「系譜」は大好きで何度も何度も繰り返しプレイした「心のゲーム」の1つですが、「独立戦争記」は…システムの改悪と戦闘シーンの駄目さ加減で、「ええ〜い、冗談ではないっ!」と苦悶しつつプレイしたのを覚えています。
特に戦闘シーンはある意味必見ですので、機会あらば是非見て頂きたい。どこの学生作品?って感じでステキです。
逆に考えれば、あの戦闘シーンでOKを出す勇気!そしてそれを37万本も売ったという実力!バンダイはなんと凄い会社なんだろうと感涙を禁じ得ませんッッ!!
ま、言うまでもなく「自分の力だけで売ったのではないぞ!そのガンダムの人気のお陰だということを忘れるな!」って事ですが。
注)前作を「独立戦争記」としていますが、正確にはワンダースワン版「蒼き星の覇者」となりますが、あえて無視していますw
お偉い方にはそれが分からんのです
ゲームシステムは前述の通り、「系譜」準拠ですが、一部仕様変更がなされていまして、その変更でポイントとなるのが「アライメント制」の導入です。
要は「特別資金の調達」などの圧政を強いれば民衆からの支持力が低下し、カオス(混沌)側へゲージが傾く、といった具合です。ロウ(秩序)寄りですとまれに外部より資金提供などが受けられますので、そっち寄りのほうが無難ですが、どちらか側でないと発生しないイベントや加入パイロットの違いなどがあります。
制作プロデューサーは自信満々に雑誌インタビューで「あれは良い物だ」と語ってましたが、正直言っていうほどたいした物でないと思います。
「それはエゴだよ」
むしろ「アライメント制」の代わりに排除された「外交」システムが無くなったことがプレイ上キツくなりました。
「系譜」では中盤以降は「資源」が余りがちなので外交取引で「資金」に換金するのが手立てでしたが、今回はそれがないので常に資金難なのに資源だけはアホほど余ってる状態になってしまいます(勢力にもよりますが)。
ここの救済策も考えていて欲しかった所です。
とにかくガンダムをディープに知ってるということが前提のゲーム。
知ってないと楽しめない・有利にならないという点が多々ありますが、中でもパイロット専用機体を作るのが複雑でわかりにくい点などが最たる物でしょう。
「系譜」ですと専用機は「提案」してくれてたので悩む必要はありませんが、今回は実際にパイロットをその機体に乗せて「改造」しなくてはなりません(理にかなってはいますが)。例えば「シャア専用ゲルググ」を作るのはシャア・アズナブルを「MS-14(ツノ無し/量産機)」ではなく「YMS-14(ツノ付き隊長機/初期生産型)」に乗せなくてはならないってのは誰でも分かるでしょうが(分かるのか?)、「シン・マツナガ専用高機動ザク」を作ろうと思えば同じR型ザクでも「MS-14R-1A」ではなく「MS-14R-1」じゃないとダメってのは少々突き放しすぎじゃないでしょうか?(どちらもシルエット同じ)
知らないまま作らなくて終わるケースも多いかと思われます。
そして今例に挙げました「シン・マツナガって誰?」と言う人も多いでしょう。
そういう疑問を解消してくれるのが「資料」モードでしたが、今回はキャラ+メカの絵のみで解説文無し。文章なしではどこの誰か分かりませんし、そのモードを見ようとも思いませんよ。
かつて「系譜」をプレイした時、私はアナベル・ガトーやノリス・パッカードって誰?という一般人でしたが、「資料」で知り、それ以降OVAやTVシリーズを見ることにより今ではすっかりガチガチのファースト原理主義者にw
初心者にガンダム世界を伝導するという意味でも大きな存在意義がありましたのに、何故今回は削除されてしまったのでしょうか。
残念でなりません。
ユーザーの気持ちなんか「お偉い方にはそれが分からんのです」のよね。
クリアにおおよそ20-30時間ぐらいかかるかと思いますが、隠し勢力を出そうとすればいろんな勢力をクリアしなくてはなりません。中でも「逆襲のシャア」のネオジオンでプレイするためには初期5勢力すべてのクリアが条件という超ハード仕様!それにかかる時間って「圧倒的じゃないか…」。
それに例の「アライメント制」でロウ/カオスでイベントなどが異なる為、フルコンプを考えると膨大な時間がかかること必至。
ヤリ込みにも対応、といえば聞こえがいいですが、ちょっとした仕様設定だけでプレーヤーに負担を強いるのはちょっと違うんじゃないの?と言いたいところです。
ハードでマニアックなのは大いに結構ですが、その分ユーザーフレンドリーさをもって接して貰いたかったですね。
と、悪い点をつらつら並べましたが、愛あればこその叱責です。
「系譜」ファンなら納得の出来ですし、ディープなガンダマーはもちろん戦略シミュレータ好きな人にも是非ともプレイして頂きたい作品。
アムロになりきって「僕が一番ガンダムを上手く使えるんだ」とザクを薙ぎ倒すゲームもイイですが、じっくり腰を据えて攻略するというゲームもまたイイもんです。
さすがゴッグだ、何とも無いぜ!
ジオン将校の1人が何故か連邦側にいたりとか、バグというかつまらないミスも見受けられます。
中でも傑作なのが「今作はゴッグが強い!」と評判ですが、そのゴッグのメガ粒子砲の威力はなんと220(ガンダムのビームライフルで150)。
しかし設定上そんなに強い武器でなかった筈では?と思い、「系譜」上でのデータを調べてみると、そちらでのメガ粒子砲の数値はなんと22。
ゼロ1こ多いんですけど!w
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- 和ゲー レビュー
- 21:29
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- by Pin
しかも全てうまく使いこなせているとは、、、Pinさんのガンダム愛がヒシヒシと伝わって来ますね〜。
ギレンシリーズはやってみたいのですが、敷居が高そうでいまいち手が出せないのですよ(´ヘ`;)
それに記事を見る限り、量産の工程がかな〜り難しそう。。。
ガンダムは好きだけど、機体の型番とかの話になるとまったく付いていけません(´Д⊂グスン