『勇者のくせになまいきだ。』レビュー
2008.02.05 Tuesday
破壊神がいる限り!この世に善は栄えない!
今回紹介するのはPSPソフト「勇者のくせになまいきだ。」です。
プレーヤーは魔王に呼び出された破壊神さま。
世の勇者たちはいたいけな魔王をかどわかそうと目論んでいますので、彼(病床の子供あり)を奴らの手から守らねばなりません。
無事魔王を守りきり、この世が善の手に堕ちるのを阻止する事が出来るでしょうか!?
かつての名作PCゲーム「Dungeon Keeper」はダンジョンを作りだし、勇者を退治するという内容のゲームでした。「勇者のくせになまいきだ。」はそのエッセンスを抽出し、再構築したゲームと言えます。
類似の作品ではPSタイトルの「AZITO」など。こちらは自分がショッカーなどの悪の軍団の総司令官として秘密基地を管理運営し正義の味方と戦うゲームです。
今ではPlaystation Storeにてオンライン販売してますので、興味を持たれた方はプレイされてみてはいかがでしょうか?(PSP/PS3用)
安心できる住まいづくり
勇者の手より魔王を守る。その為に破壊神が出来ることはただ1つ。
穴を掘ってダンジョンを作り上げることの一点のみです。
近年ゲームが肥大化する中で極めて希に見るシンプルさ!
もちろんただ穴を掘れば良いというものではありません。地下内の食物連鎖を喚起し循環させその上で強いモンスターの生成して、勇者退治に効率の良いダンジョン構成を行わなければなりません。
究極的にシンプルな操作で実に奥深いシステム。
これこそが「勇者のくせになまいきだ。」の真髄なのです。
しかし惜しむべきはチュートリアルの弱さでしょう。
どうすればモンスターが生まれるのか?ということは勿論説明してくれますが、さらにそれをどう発展させ攻略すれば良いのか?というポイントでの教示が足らないように思います。
間口はムチャクチャ広いけど、次のステップへ登る為の段差が高い。といった感じです。
私の場合、人に教えて貰ったり動画サイトを見てヒントを得ましたが、ここで断念してしまった人も案外多いのでは無かろうかと思います。
もうちょっとトレーニングの項を増やすか、あるいは時間・堀パワーが無制限なモードがあれば良かったかもしれません。
「あやうく世界の半分を差し出す所でした」
「勇者のくせになまいきだ。」のもう1つの特徴は、パロディで固められた世界観です。
8bitゲーム機を彷彿させるドット絵チックなグラフィックもそうですし、元ネタが80-90年代のゲーム・アニメから多く引用されています。
何より「勇者のくせにまないきだ。」という題名からして某いじめっ子の台詞ですボエ〜♪
80-90年代ネタが多いのは私のようなアダルト世代にしてみれば「おッ!この台詞はアレだな?」とニヤニヤ出来ますが、PSPのメイン層である中高生には意味不明な点が多いのかもしれません。
ファーストガンダム・ドラクエ・オールドナムコ物が特に多いですが、ここら辺を今時の子はどれぐらい知ってるんでしょうかねェ?
とにかくよくぞここまで、と言わんばかりにパロディてんこ盛りですので、
「これ以上は、まとめWIKIでも見てください」ですw
「そしてでんせつが」
裏ストーリーをクリアしても続編が出るかもしれない?と思わせるメッセージが出てきますので、売上本数次第ではありえるとは思いますが、こういうシンプルなゲームの続編はヘタに余計な要素を加えて本来の良さをスポイルしてしまいがちなので、そこには特に気をつけて貰いたいですね。
「勇者のくせになまいきだ。」をプレイして思うのは、やはりゲームにとって美麗なグラフィックや派手なムービー、愛らしいキャラなどは所詮味付けの1つにすぎないと言うことです。
一番肝心なのは素晴らしいアイデアとそれを結実する練り込みとゲームバランス、これに尽きます。
制作費○億という壮大な超大作も結構ですが、こういう小粒ながらも光る良作も見逃さずにプレイしていきたいものです。
- 和ゲー レビュー
- 13:54
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すごく読みごたえのあるレビューでした。
裏面もクリアなさったんですね。おめでとうございます。
このゲーム、面白いですよね。
ムキになってしまう魅力があると思います。
こちらは掘る事しか出来ないので、魔法持ってる勇者に
モンスターが一掃されてしまった時の悲しみや焦り…など
思いだしました。
続編出るかな〜?
出たらまた買うと思います。
「しょうた」とまた遊びたいなぁ〜