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『Overlord(オーバーロード)』レビュー

overlord オーバーロード


魔を侍らせし大君主、再びかの地に蘇らん

我はこそはOverlordなり。此処の地を統べし大君主なり。
深遠なる常夜の世界に眠りし我を王と崇める魔の眷属、
我をうつつの世に舞い戻らせり。
貴公は主なり、邪悪と混沌の君主なりと長は曰う。
かつて落日の日は突如訪れり、魔が讃えし君主は英雄に屠られり。
しかし悪は滅びず。
遙かな刻を経て我は再び舞い戻らん。
この地を焦土と変え災禍と怨嗟の渦に巻き込まんがために。
我を讃えよ。崇めよ。そして畏怖せよ。
我はこそはOverlordなり。此処の地を統べし大君主なり。




それにしてもこのミニオン達、ノリノリである

というわけで「Overlord」です。
ちなみに上の文語はかなりテキトーなので読み飛ばしてくださいw
このゲームは一言で言うと「小悪魔版ピクミン」。♪引っこ抜か〜れて〜の歌がプチブレイクしたあの「ピクミン」のシステムのヤヴァいぐらいにクリソツ(by カオス館)。
私は「ピクミン」は未プレイなので細かい事はよく分かりませんが、4種類の属性を持ったキャラ達を状況に応じて使い分け、敵を倒しトラップを突破し攻略していくというゲームです。
ただ「ピクミン」と大きく違う点は、ピクミンはスケベ大根の様な風貌で無個性なキャラですが、このゲームのミニオンどもはとにかく悪い
昔の映画「グレムリン」をご覧になった方なら分かるかと思いますが、まさにあんな感じです(見た目も似てるしw)。

普段はかいがいしく大君主の後をついてきますが、ひとたび「かかれ!」と命ぜられるともぅ暴れまくりのやりまくり。
家屋・宝箱・樽・食器・農作物、破壊出来るものは全て破壊!
ゴールドや自分が使える装備を見つけては片っ端から略奪!
ヒツジ等の家畜も馬乗りにしたり火だるまにしたりして屠殺!
普段は襲わないものの命ぜられれば無辜の民も集団で虐殺!

暴虐狼藉三昧です。

しかし、これらの無法にもちゃんと意味があります。
略奪により装備品を集める事でミニオンは強化されてゆきますし、何よりも肝心なのが魂集め。敵を倒すと光る魂が残りますが、集めた魂が使えるミニオンの数となりますのでこれの収集は必須。
ヒツジを襲うのも面白半分で殺しているのではありません。(一応はw)
子羊でも農民でも殺す事は手駒を増やすという事になるのです。

そしてなによりこのミニオンたちはとても可愛いッ♪
魂やゴールドを見つけては「for you〜♪」と嬉しそうに持ってくるし、命令をしては「the overlord!」と讃え、装備品を見つけては「for me♪」と踊って喜ぶ。
バイオリンの音に踊らされ、酒を呑んでは酔っぱらい、あまつさえオシッコまでする始末!w
戦いに於いては死を厭わず果敢に闘いますし、マップ上には大君主の体力や魔力を回復する泉があり、ここを使用する為にはミニオンの犠牲が必要ですが彼らは喜んで飛び込みます。
大君主用の装備品は本拠地:ダークタワー内で鍛造するのですが、魔力を帯びた物を作る為にはミニオンを生け贄にしなければなりません。最大で2000匹ものミニオンを!
溶鉱炉に我先にと次々飛び込んでいく忠義心に涙せずにはいられませんッ!

醜悪ながらも愛嬌に溢れ、主人に命を賭して忠誠を尽くすミニオンたち。
これを愛さずにいられましょうか?


しかし、とにかくこいつらは命を粗末にしすぎますw
闘って戦死するのはもちろんとして、火に弱いくせに炎に飛び込んで焼死、水に入れない者は溺死、毒に耐性が無く中毒死、とこちらが気をつけないとレミングス並に集団で死にやがりますので注意が必要です。



こんな悲惨なエルフは見た事無いw

舞台はエルフにドワーフ、ハーフリングが住まい、ユニコーンやトロールが現れる昔ながらのファンタジー世界で、グラフィックは「超美麗!」と言う訳ではありませんが「Overlord」の世界観に非常にマッチしています。
特にハーフリングの住居は映画「Lord of the Ring」ホビット庄そっくりで、大丈夫かとこっちが心配してしまいますよw
この世界がLOTRのそれと異なるのは、種族間が仲違いしている所です。序盤はハーフリングに囚われた人間を解放するのが目的ですし、そのハーフリングやドワーフはやたら好戦的。
それにこのゲームではエルフの扱いがとにかく非道い。霊体のまま彷徨っていたり、奴隷にされていたり、大君主の選択いかんでは究極に悲惨な目に遭います。
ディードリットが草葉の陰で泣いてますよw

このゲームは悪の大君主が主人公で小悪魔を操り悪逆無道の限りを尽くすといったゲームですが、どこかのんびりしていて牧歌的で、決して陰惨なゲームではありません。
シナリオも和製RPGとは違い、大きくなりすぎないのも良かったですね。
難易度も高くありません。ボスにはヒット&アウェイだけ心がけていれば後は力押しで進められます。



立ちんぼ大君主

まず地図が欲しかったですね。
マップはそんなに広くはありませんが、場所によっては入り組んだややこしい作りになっていますので最初はちょっと難儀します。付録で地図が同梱されていますがかなり大雑把ですし、システム上に東西南北の概念がないのでどっちを向いているのか分からなくなる事多し。

それにミニオンのAIがあまり賢くありません。
好き勝手にさせておけば先述のように、炎に飛び込んだり水場につっこんだりして勝手に死にまくりますし、ブルーミニオンは蘇生術をどんどん使って欲しいのに弱いくせに敵に向かって行って殺されたりと、あまり思うように動いてくれません。
しかしそのバカっぽさもミニオンらしいといえば納得出来てしまうんですがw

一応、マルチエンディングで、大君主の振る舞いで善エンド悪エンドかに変わるという仕様ですが、それまでの展開はまるで一緒なので、シナリオ分岐みたいにしてくれれば良かったですね。
中身が一緒では別エンドを見る為にもう一度プレイしようとは思いません。

あと、かなりどうでも良い事ですが、玉座に座りたかった!w
愛人に請われるまま高い玉座を買ったのに見るだけで座れません。どっかり腰を落として周りに讃えて欲しかったw 大君主様なのに何で立ちんぼなんだよ、座らせろよ!
ひょっとしてラストで判明するアレが理由なんでしょうかねェ〜?



我こそはOverlordなり 此処の地を統べし大君主なり

特に目新しい点もなく(むしろパクリ気味w)、派手さもなく、ミニオンの行動など誰もが賞賛するゲームではありません。
しかし、丁寧に作らた愛らしいキャラクター達とどこか優しいこの世界は一度足を踏み入れるに値する世界であると私は思います。

和ゲーに殆ど見られないピカレスクロマンのゲームですので、日本でも出せば意外にウケるのではないでしょうか。テキストも少ないのでローカライズに時間はかからないでしょうし、是非発売して欲しいですね。

それと出来ればまた新たな物語の中で再び可愛いミニオン達をお供に旅に出たいものです。



余談ですが、このゲームには2人の愛人が登場します(どちらかを選択)。
ダークタワー内に飾る内装品を彼女に買い与えるのですが、全てを買い集めるとGTAでおなじみのギシアンが発生w

流石は悪の大君主様。もゥ、それはそれはw



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