『Evil Dead Regeneration(イービルデッド リジェネレーションズ)』レビュー
2006.11.10 Friday
*日本未発売
死霊のはらわた後日談
かつてスプラッタムービーが一世を風靡した時代がありましたが、その中での代表作の1つ「Evil Dead(邦題:死霊のはらわた)」。このビジュアルがトラウマな人も多いのではないでしょうか?
その続編「Evil Dead 2」の数日後の話がこのゲームの舞台。魔導書「ネクロノミコン」(クトゥルフ神話に登場する書物)の狂気に憑かれた精神科医を相手に「死霊のはらわた1-3」の主人公アッシュが小ゾンビのサム(上の画像で蹴られている小ゾンビ)を相棒に戦うアクションゲームなのです。
「死霊のはらわた」「クトゥルフ神話」「ゾンビ」などかなり猟奇なキーワードが並びますが、ところがどっこいこの「Evil Dead Regeneration」はコメディーホラーアクションです。ゾンビや骸骨など醜悪なモンスターが登場するものの、恐怖度はゼロ。だって主人公アッシュは右手(義手)にチェーンソー、左手にショットガンというやる気マンマンの出で立ちですから!サイレントヒルやクロックタワーとかのへっぴり腰主人公とは訳が違いますw
♪サムとアッシュ 仲良く喧嘩しな
映画「Evil Dead 2」の中でアッシュは右手を失い、そこにチェーンソーを装着し(!)戦いますが、本作ではさらにホッパーガン(銛付きチェーン)に火炎放射器とライダーマンの如く義手を駆使し、左手の3種の銃火器と計6つの武器を使い分けて死霊共を薙ぎ倒してゆきます。銃火器には弾切れ・リロードはないので思う存分撃ちまくれるってのも爽快です。
チェーンソー装着時のコンボアクションも様々用意されていますし、ゲージが溜まるとEvil Ashに変身しバーサク状態でオラオラオラ!軽快に派手なアクションを楽しめます。
そしてもう1人の主人公・小ゾンビのサム(声は「死霊のはらわた」の監督サム・ライミの弟で俳優のテッド・ライミ)の存在抜きにしてこの「Evil Dead Regeneration」は語れません。
ゾンビのくせにやたら活発でおしゃべりでお茶目、そしてギャグ担当。ゾンビなので死んでもすぐ生き返る為、やたらめったら死にます殺されます。
ガスが充満した建物に入るシーンで、サムを火だるまにして窓に向かって蹴っ飛ばし、中で爆発させて扉を吹き飛ばす(鉄扉にはサムの型が!)、なんてアメリカンカートゥーンなギャグをやってくれますw。
サウスパークとかもそうですが、アメリカ人って滑稽な死に方させて笑いをとるのって好きですねェ。こういう具合に要所要所サムを操作してギミックを操作させる箇所があるのもプレイ上のちょっとしたアクセントになっているのでイイ感じです。
ちょっと喰い足らないかな?
洋ゲーの割にヌルいですし親切設計です。セーブポイントとはマメにありますし、高所から落ちてもすぐにはい上がってきます(ペナルティ無し)。ザコ相手にやられる事はまず無いし、ボスも倒し方が分からないうちに死ぬ事もありますが、分かっちゃえばラスボスでもそんなに苦労しません。
ゲーム全体のボリュームはやや物足らないです。15時間ぐらいでクリア出来るぐらいかな?
ユルい難易度で軽快にゾンビ共を薙ぎ倒し、サムのギャグを笑いつつ前に進むといったゲームでした。あまり大きな不満はないのですが、逆に「引き」になる部分もあまり無いって感想ですね。気構える必要が無いお気楽なアクションゲーム。
ただ、ストーリー上この「Evil Dead Regeneration」から映画「Evil Dead 3(邦題:キャプテン・スーパーマーケット)」に繋がる流れなので、チャンチャンで終わってくれないラストはちょっとな、ってな感じでした。ヒロインもアレな終わり方でしたし。
一応はホラー物なんだからヒロインは乳ぐらい出してくれてもバチ当たらんでしょうw
「バタリアン」がお馬鹿で好きでした
一時代を築いたスプラッタムービーですがブームがすぎるとパタッと消えて無くなりましたね。昔はTVでも放送してましたが、今では考えられんな。
ホラーというジャンルは健在ですが、ちゃんとシナリオや演出で怖がらせる方向に行ってるようなので健全になったと言うべきでしょうか。スプラッタの時代はグロくてキモいオバケがワーと出てきて血しぶきをバシャバシャあげるだけの知能指数低そうなのがイッパイ出てましたし、オッパイも出てましたw(序盤でHしてるカップルは早々に殺されるという法則)
特撮が廃れてCGに移行したってのもあるんでしょうか。CGでスプラッタやられたとしても生っぽさが無いのでダメでしょうね。
これもまた時代の波に消えた物の一つなのでしょう。
- 洋ゲー レビュー
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