『Destroy All humans! 2(デストロイ オール ヒューマンズ!2)』レビュー
2007.01.07 Sunday
*日本未発売
Make War, Not Love!
1950年代合衆国大統領になりすましアメリカを手中に収めた異星人クリプト。
しかしその10年後、ソビエト連邦の核ミサイルが彼の母船を破壊したッ!
許すまじ!
世界各国で暗躍するKGBを相手に、全米を混乱の渦に堕とし込んだクリプトが再び立ち上がるのであった!
前作「Destroy All humans!」より10年後、平和で一番輝いていたオールドアメリカは今や昔、時代はベトナム戦争と米ソの冷戦といった暗い時代が舞台となっております。
しかし!暗い時代であったとしてもこの「Destroy All humans! 2」では前作同様、明るくコミカルな世界が用意されていますのでご安心あれ。
アメリカはヒッピー文化が全盛で浮ついた雰囲気ですし、イギリスはその時代特有のポップさ満点(映画「オースティン・パワーズ」の様な)とても魅力的。
対してソ連は寒々しく陰鬱。軍施設があちこちにあり米英とは大違いw
そして我らが祖国日本は「タコ島」という島が舞台(しかも活火山島)。東京タワーみたいなのが立ってるかと思いきや忍者の城まであるカオスっぷりが無茶苦茶すぎて素敵です。
前作との比較
ゲームシステムは前作とはちょっと変わりました。(前作やったのがだいぶ前なのでうろ覚えです。間違ってたらスミマセン)
ミッションをこなす事でポイントを稼ぐ事になったので、DNA(脳みそ)収集はあまり意味が無くなりました。
チェックポイントを回るタイムアタックやDNA回収などの小ミッションが無くなったのもちょっと残念です。しかし前作ではこれら小ミッションの設定値を変えるだけ(クリアタイムが短くなるなど)でミッションの総数を上げるといったセコいことをやっていたので、そういった部分が無くなったのは良い事なのかも知れません。
前作の不満点でしたボリュームの無さはサブシナリオの充実でかなり解消されていますし、「警戒ゲージがすぐ上がる」と言う事は、警官や軍人に化けて各所にある警察などへの直通電話で電話すれば即警戒度ゼロまで下がるといったシステムの導入のおかげでかなり遊びやすくなりました。
なおその電話はアメリカではPoliceStation、イギリスではScotlandyardに繋がりますが、日本で電話すると、
「Moshi, Moshi, Takoshima Defence Force」。
自衛隊の管理下かよ!
シナリオは今回もかなり会話主体で進むのでかなりの英語力が必須デス(涙)。対話で相手を納得させるというミッションもありますし、今回から登場した「Arcvoodle」というスペースお地蔵様のカルトを広めるというのも何をしたら良いのか分からないこと多しで困ります。
「イッツ スペィス ニンジャァー!」
さてやはりこの「Destroy All humans! 2」といえばやはり日本ステージを語らねばなりますまいw
外国人が描いた「ニッポン」ってのは当の日本人から見れば「なんじゃこりゃ?」ってモノが多いですが、この「Destroy All humans! 2」ではさらにヘンテコに描かれています。
前述の通り、街中は大きなタワーがそびえ、それなりに街してますが、ちょっと海岸に行けば江戸時代の漁村のような建物ばかりになりますし(住人もそんな格好)、「平和」と書かれた鳥居のある禅寺(苦笑)、そして忍者の城に活火山。
他の国がほぼ統一したトーンで描かれているのに対し、日本だけがやたらゴチャ混ぜになってます。
あまつさえ大怪獣まで現れますので、もうお腹一杯w 制作者はかなり日本好きと見た!
しかしスタッフの中に日本語が分かる人はいないらしく街中の看板にはかなり???な日本語に溢れています。
「熱い女性」
「タコセクシー」
自販機に「速食糧」
何をするところか不明な「市役所の心配」
売ってるモノが気になる「小売店 愛/肉 恋人」などなど。
日本ステージを遊んでて気づいたのですが、このステージの住人は当然英語を喋ってる訳ですが、妙に聞き取りやすい英語を喋っています。言わば日本人が喋る英語のような発音です。
例えて言えば「Monster」を日本人は「モンスター」と発音しますが、ネイティブスピーカーは「マンストゥ(の様な感じ)」と言うような違いです。
わざと日本人訛りで喋ってんでしょうか?
ヘンな所にこだわってるくせに街並みや風俗がグチャグチャな日本を描くとは、やはり間違いなく制作者は「確信犯」ですw
こんな状況に陥るとは…
で、結局前作と比べ「Destroy All humans! 2」はどうなのかと聞かれれば「前作ほどのインパクトはない」というところです。
色々とパワーアップしていて不満点も解消されています。しかし何が悪いという訳ではないのですが「前の方が良かったような気がするなァ」という感じを受けてしまいました。
Grand Theft Autoの「3」と「Vice City」の様な感じといったとこでしょうか。
それに前作では我が物顔で暴れまくっていたクリプトなのに、今回はソ連の不二子ちゃ〜んみたいな女に良いようにしてやられたり、さらに強い異星人の登場があったりで彼の傍若無人な魅力が薄れてしまったというのもマイナスでした。
あと個人的な事ですが、何故かソ連の後半でバグか何かでミッションが受けれなくなってしまい、前に進めない状況に陥り断念せざるを得なくなってしまいました。
4/5あたりで諦めなければならないとは…無念!
こんな致命的なバグはホント!ご勘弁願いたいッッ!!!
ちなみに余談ですが「メタルギア3 スネークイーター」でスネークがソ連に最初に潜入したのは1964年。
ほぼ同時期にクリプトとスネークはソ連相手に暴れた事になりますw
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