『JAWS unleashed(ジョーズ アンリーッシュド)』レビュー
2006.12.14 Thursday
*日本未発売
これは聖戦である!
人間は陸を支配し、それに満足せず我等が海を手中に収めんとしている。
海岸・海底に様々な施設を作り、ゴミを投棄し、
汚水を垂れ流し我等の命である水を汚しているのだ。
このまま侵略者の横暴に手をこまねいて見ているだけでよいのであろうか?
否ッ!断じて許してはならないッ!
陸では支配者であろうと、海では我等ホオジロザメが覇王なのだ!
海棲生物の頂点に立つという神に選ばれし優良種たる我等が
侵略者に対し正義の鉄槌を下さねばならない!
水に生きとし生ける全てのものの明日のために!
海洋は我等が覇権を握って初めて永久に生態系を保つ事が出来る。
これ以上の蹂躙を許しては地球そのものの危機である。
無能なる人間どもに思い知らせてやらねばならん!
今こそ我等は明日の未来に向かって立たねばならぬ時であると!
我等が領図・母なる海を侵す者に情け容赦など無用である!
傲慢不遜なる人間共は陸に逃げ還るがよい。
さもなくば我等が糧となる運命を受けねばならないのだ!!!
(ギレン閣下のイメージでお読み下さいw)
YOUはSHARK!
スピルバーグの過去の名作「ジョーズ」をゲーム化!アミティ・アイランドの惨劇が蘇ります。「ジョーズ」のゲームと言っても「サメを退治するゲーム」ではありません。このゲームのキャッチコピー「YOU ARE THE SHARK」の通り、プレイヤーが鮫なのです。
北米では50万本オーバーの売れ行きだとか。
全米のサメマニアから絶賛の嵐!w
ちなみに「JAWS unleashed」のunleashedは「解き放たれた・解放された」という意味です。jawは本来の意味は「あご」ですが「死に脅かされた状態」などという意味もあるらしいです。
ヒトはよく噛んで食べましょう
サメなので残念ながら攻撃方法は知れています。基本攻撃は噛み付き・体当たり・尾ビレぐらいですが、噛み付きこそがこのゲームの基本であり醍醐味でもあります。相手に噛み付き喰らう事で空腹を満たし体力も回復しますので、喰う事はすなわち生きる事であります。
R1ボタンを押せば眼前のモノに食らい付きますが、小魚以外は噛み付くだけです。食べるにはどうするか?そう、咀嚼するにはR1を連打しなくてはなりません。
噛み付いてエサを捕らえ、咬む!咬む!咬む!
水中銃を持った人間は噛み付かれても攻撃したりしてくるので、噛んだまま振り回して手足をちぎると大人しくなるのでそこからゆっくり食べるのがオススメ。人間やイルカなどの大型動物は出血量も多く、止まったまま食すると画面が血で真っ赤になります。そうすると見えにくい上に小ザメなどが寄ってきて鬱陶しいので適度に、泳ぎつつ頂きましょう。特にイルカは一匹食べると他の仲間がこちらに襲ってきます。イルカ如きと侮ってはなりません。序盤は意外なほど呆気なく殺されます。
プレイ後はイルカを見る目が変わる事間違いなし!あんな海獣と一緒に泳いで癒されるなんて信じられませんw
不満な点はボリュームが非常に少ない事と、ミッションが分かりにくい点でしょうか。ステージは11とサイドチャレンジが30程。メインシナリオの少なさが痛いですね。それと、これはGTAのような箱庭ミッションクリア型ゲームですが、「○○を破壊せよ」とか出ても、どうやったらいいの?と悩む事が多いです。人間の様に色んなアクションを取れる訳じゃないしヒントもないので、方法が分からなく前に進めないと言う状況が何度もありました。
それに操作は「サメ」なのでちょっとクセがあります。海面近くに浮かぶと自動的に海面に背びれを出して泳ぐようになるのですが、視点が水上に上がるので意図しない時には非常にやりにくくなります。
大西洋、血に染めて
フィールド上には自分より強い存在がいないので、自分がボスであり海は縄張りであります。そんな中にモーターの音をバリバリさせて通過する船や実害はないけど目障りな海底探査船にダイバーはとても邪魔な存在に映ります。そしてシナリオ内で海を汚し自分を攻撃する人間は排除すべき対象に他なりません(イルカやアザラシには好意的に接してるのがまたムカつくw)。
人間からすればサメは「人を襲う悪魔」ですが、サメからすれば人間は「平和な海を侵す者」になります。
洋ゲーにはプレーヤーが人間の的になるという物がいくつかあります。宇宙人の「Destroy All Humans!」ゾンビの「Stubbs The Zombie」そして今回の「JAWS unleashed」。視点が変わる事により、敵方の言い分が分かる様になるのは興味深いですね。
戦争なんかでもそうですが、お互いに言い分があり大儀がある。
正義ってのは1つじゃないって事です。