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『INSIDE(インサイド)』レビュー

INSIDE

鬱系パズルアクションの後継者

かつてXbox360で洋ゲーのインディーズゲームシーンが活気付いていた頃がありました。「TRIAL」「Castle Crashers」「Braid」などなど小粒ながらも光るゲームが多く排出されていた輝きの時代です。

その内の1つで「LIMBO」というゲームがありました。モノトーンで統一されたノイズ混じりのグラフィックは独特の世界観を醸し出し絶妙のパズル性と相まって高い評価を得た作品であります。

そして制作会社Playdeadは長い沈黙の後にようやく先日配信開始となったのがこの「INSIDE」であります。

 

丁度「INSIDE」リリース直前にSTEAM上で「LIMBO」が無料配布されてましたのをとりあえずダウンロードしてました。その時は「INSIDE」をプレイする気がなくDLした事すら半分忘れてましたが、「INSIDE」をやってみる気になったので予習として「LIMBO」をプレイしましたところ、やはり評判が良かっただけの事はあるなととても楽しくプレイできました。
今は無償期間は終わっていますが、 「LIMBO」 も素晴らしいゲームなのでおススメです。ちなみにどちらもクリア時間は4時間程度なのでサクッと良作を楽しみたい方は是非!

ディストピア行の終焉

ゲーム的には「LIMBO」と全く同じ(メニュー画面のUI(ユーザインターフェイス)まで同じ)で、ひたすら右に右に時には左へ進み、様々なパズルを解いて前へ進む思考系横スクロールアクション。ジャンプの届かない場所に登るため箱を持って来たり、機械を上手く操作して道を開いていくタイプのゲームです。

 

主人公が出来るのはジャンプとアクション(押す・引く・掴む・スイッチを入れる等)のみと言うシンプルさ。パズルもそんなに難しい部類ではないですし、シビアなアクションを求められることもありません。 むしろ謎解きより世界観を味わうことを主軸としたゲームだろうと思いますので、そのあたりは緩めにされてるのではないでしょうか。
また一発死のデストラップも相変わらず。しかしリスタートは素早く行われるのでストレスはありません。謎が解けないストレスはあっても、それを乗り越えた時の嬉しさはそれ以上ですしね。

 

前作の独特の暗鬱な世界観直接語らないストーリーテリングは健在。
世界観に関しては現代社会(と思われる)が舞台ですが、見つかれば問答無用で殺される何処かの国か施設をステージにしているので、モノトーンの前作よりも多少色づいてはいるものの重苦しさはアップしているでしょう。
ただ少々コミカルな描写があるので幾分重さは和らげられています。

 

ストーリーに関しては殆ど語られないので場面場面をみて「ここはどういう世界なんだろう」「主人公は何を求めて進んでいるのだろう」と思い描くだけですが、終盤で突如もの凄い展開になり驚愕!そしてエンディングに入る訳ですが、この辺りの展開は絶対ネタバレなしで自力で見てもらいたいと切に願います。
近々PS4でもリリースされるので日本語の攻略サイトや考察ももっと出てくるかと思いますが、終盤の情報はノータッチでお願いしたいところであります。

 

陰のある世界を死の罠を潜り抜け突き進んだ先にある思いもよらない展開と結末。
トレーラー動画等を見て気になったならば、ぜひともプレイする事をお勧めします。

 

余談ですが、クリアに4時間程度、隠しENDの出し方を調べておいて達成して約1時間。プレイ計5時間ほどで全実績とれちゃうのでトロフィーコレクター向けのゲームでもありますw

私なりのINSIDE世界の考察

ここからは大いにネタバレしてますので、プレイしようかと思ってる方/途中の方は読まないようくれぐれもお願いします。
※以下文字反転してお読みください。

 

---


物語が何も語られないとはいえ、世界は断片的に読めます。意志のない人たち・崩壊した街並み・水中を泳ぎ続けられる人間・実験施設・そしてあの肉塊。
管理する側とされる側が明確に分かれていてなおかつ被支配側が何かしらの改造された様子を見ると、あれは戦争に負けた国か弾圧を受けた組織・地域の人間なのではないでしょうか。主人公はもちろんそちら側の人間なので見つかれば即殺される訳です。
支配者側は被支配者を人為的に意識を奪い奴隷として使役。また人体実験で水中人間や肉塊のような研究も行っている。豚を凶暴化させる寄生虫などはその産物でしょう。

 

同朋の解放が彼(主人公/なぜ男なのかは後述)の目的。
肉塊と同一化することであの体を得て、施設外に飛び出し死することで残酷な実験から解放させられた、という流れなのではないでしょうか。
結果的に施設の破壊と幹部らしき人を殺害できましたが当初の意図にそこまでの計画があったのかは分かりません。

 

隠しエンドを見るためには各所のオーブを破壊して廻る必要がありますが、それら全て黄色いケーブルが繋がっていて最後の大きなオーブ一つがその集約地となっています。サーバと端末の関係です。
あのオーブは無意識の人を操作するヘッドギアに似ているので、オーブこそが奴隷管理の機械だと考えられなくはないでしょうか。
彼らを開放するために各端末を潰していき、最後にサーバを壊すことで奴隷解放となるという。ただ、解放といっても元の健全な人間に戻る見込みはなさそうなので、従属から解放し死に至らしめてあげるのが目的かと思われます。

 

そして暗転して終わる隠しエンドの意味。
彼もまた改造された人間だったのですが、汎用オーブからの支配は受けていない特別な存在。しかしトウモロコシ畑地下に隠されたスタンドアローンの機械から指示を受けている彼もまた操られた個体。
同朋の解放という本懐を遂げた後、彼をシャットダウンするために自らあの機械を壊させたのです。彼を操作する誰かが。
最後の逃亡時に助力してくれた研究員もいましたので、その謎の人物は所内の一派かもしれません。

 

そして裏テーマとして「遺伝子操作への警告」ってのもあるかと考えます。
人体改造された人間の姿は哀れですし世界が死の臭いに満ちている。何よりあの肉塊は「卵子」であり主人公は「精子」のメタファーでしょう。直前に裸になるので余計それっぽい。
そして着床するも死に至る(崖は産道?)。誰一人幸せにならない結末は自然に反するような事はするなという警鐘に見えてしまいました。

 

---


というのが私なりの考察です。
合ってるかどうかは分かりませんが、概ね筋は通ってるんじゃないかと思いますがどうでしょうw
なお念のために言っておきますが、これは私一人で思いついたのではなく色んなサイトを見た上での考察です。
こういう風にあれこれ思いを巡らせることが出来るってのは良い物語である証拠でしょうね。

 


『DOOM(ドゥーム)』レビュー

DOOM

名門ブランドの復活

ちょっと海外ゲームに詳しい人ならば「DOOM」の名を知らない方はいないでしょう。FPS(ファースト・パーソン・シューティング)の偉大な始祖でありバイオレンスゲームの代表格でもあったタイトルです。ジャンプアクションといえば「スーパーマリオブラザース」、格闘ゲームといえば「ストリートファイター2」、そしてFPSといえば「DOOM」というほど格式あるブランドであります。

圧倒的な暴力性と次々と敵を倒していく爽快感で世界的大ヒットを飛ばし、FPSというジャンル名自体がまた無かったのために同系統のゲームは長らく「DOOMクローン」と呼ばれていた程大きな足跡を残しました。
しかしネームバリューの割に続編が出ていなく、2004年に発売された「DOOM 3」ではゲームの方向性を大きく変えた為に旧来のファンを失望させ、ここ数年は終わったタイトル扱いにされていた寂しい状況でした。


ところが近年「Tomb Raider」「Motal Kombat」がリブートされ好評を博した流れなのか、満を持しての復活!内容的にも初代の路線に戻し「現代に蘇ったDOOM」として好評を博しております。

 

なお、私は「DOOM」を初代のPS1版をプレイしただけのカジュアルDOOMER。キャンペーン(1人用)で難易度は「死ぬには若すぎる(イージー)」モードのぬるプレイ。FPS慣れしてない者のレビューということでご勘弁ください。

キャーッ!何てこと!?うちの子がこんな残酷なゲームをしてるなんて!!!

ショットガンやレーザーにミサイルにチェーンガンといった種々様々な銃火器と一撃必殺のチェーンソーを駆使してデーモンを撃ち殺しまくり血祭りあげまくり。瀕死状態の相手に打撃を喰らわせれはグローリーキルという体力回復や弾丸が多く手に入りより残酷に殺せる心躍るフィニッシュムーブが発動!
キーアイテムを手に入れるかエリア内の敵を殲滅して次のステージに移り、またひたすら弾を撃ち続け殴り倒す。
火星や地獄を舞台にグロテスクな悪魔どもを皆殺しにするゲームそれが「DOOM」!以上ッ!

 

本当にただそれだけ、潔すぎてビックリです。
一応ストーリーはありますが何だったのか全然印象に残りませんし、ラスボスもカリスマ性ゼロ。ああ、さっきのがラスボスだったの?みたいな感じで終了してしまいます(キャンペーンモードはそこそこボリュームあり)。
「BIOSHOCK」のように惹きこませる物語性と世界観で勝負している訳でもなく、「Call of Duty」のように徹底的にリアリティの追及を極めたゲームでもありません。

 

だが、それがいい。

 

血糊と頭蓋骨で溢れる吐き気を催す世界の中で返り血と硝煙を全身に浴びつつ死体の山を積み上げていく悪趣味なトリガーハッピー残酷絵巻。それこそが「DOOM」なのです。PS1版から見た目や演出は大きく進化していますが、やることは全然変わっていない「変わらなさ」が素敵。


そもそも初代が出た時から過激すぎる暴力表現で残虐ゲームだの悪魔的だの散々罵られてきたゲームであり、背伸びしたいティーンエイジャーがプレイしてる姿をママに見つかってガミガミと叱られるような良識ある大人から罵倒され忌み嫌われてきたゲームなのです。
なのでこの何も考えずただひたすらに血反吐とゴア描写にまみれるスタイルは全く以て正しく美しくあるべき姿。このストロングスタイルで余計な改変なく現代に甦らせたスタッフは実に良い仕事をしたと言えましょう。

 

なお私の場合、プレイしている姿をママではなく娘に見つかって罵られるのでありました。

 


『FARCRY PRIMAL(ファークライ プライマル)』レビュー

はじめにんげんファークライ

「FARCRY」シリーズはUBIソフトを代表するタイトルの1つで当ブログも何度か取り上げてきました。都会から来た青年が文化の全く違う土地で洗礼を浴び戦士として成長していく、というのが今までの基礎部分でしたが、新作「FARCRY PRIMAL」ではまさかの原始時代!余所から来た異邦人ではなく、古くから土地に住まう部族の1人なのです。

 

オロスの地に住むウインジャ族はパワー系ウダム族と炎系イジラ族に押されっぱなしで存亡の危機!獣をしもべとするビーストマスターの力を得た戦士タカールは部族を救うべく野を駆けるのでした。

 

生肉を喰らって体力を回復し、集めた素材で弓や槍を作り出し、野獣を使役し他部族を襲わせ、仲間と仕掛けてマンモスを狩ったりといった血生臭いワイルドライフが本作の魅力。
原始時代なので主となる武器は弓矢・棍棒・槍といった簡易なものしかないものの、弓は遠隔射撃、棍棒は近接打撃、槍は中距離で強力な投擲武器といった個性付けがなされています。
そしてなんといっても一番のポイントはビーストマスターでしょう。手なずけた肉食獣はいつでも呼び出し可能で、常に寄り添い共に戦い守ってくれる心強い相棒。「FARCRY4」にも僅かながらこの要素がありましてとても面白かったのですが、そこをゲームデザインの基軸に取り込んだのは嬉しい変化点です。

 

ただ、この能力があまりに便利であまりに強力ゆえにこのゲームがヌルくなっちゃってるのが惜しい。

 

その力を持ってない初期段階での世界は過酷です。貧相な野良犬みたいなのですら殺されもしますし、敵部族も侮れず、動物が活発になる夜は気が抜けない魔の時間帯。
そこにビーストマスターの力を得れば勇気凛凛元気百倍!オオカミ・ヒョウ・ライオン・クマ・サーベルタイガー、そしてマンモスが我がしもべ!敵や野生動物を襲わせて実に簡単に戦闘に勝利。敵部族に大型獣を襲わせるシーンは迫力あって傍で見てても残酷すぎて可哀そうですよ〜ヒヒヒ。それにマンモスに乗って敵を踏み潰し薙ぎ倒し蹂躙するのは最高に気持ちよすぎて爽快豪快ッ!王様感ハンパねぇっす!

 

とまぁ、それは良いとしても、この世界のヒエラルキー上位に位置するサーベルタイガーがプレイ開始して数時間後には使えるようになるってのはちょっと早すぎるんじゃないかなぁと感じざるを得ませんでした。攻撃力も体力も相当あるのであまり倒されませんし、基本的に獣は自分より強い相手には立ち向かわないので、サーベルタイガーのような強者が横にいればヒョウやライオンにも襲われる危険性が殆どなくなるのです。
それにたとえ殺られてしまったとしても、薬草のストックがあれば即座に生き返ってくるってのも便利すぎる感が強いですね。
もうちょっと使いづらいさみたいなものがあれば、その分楽しめれたんじゃないかなと思います。

ヒロイン:サイラ 趣味:他部族の耳集め

ストーリーとしては非常に弱いですね。
「FARCRY3」 「FARCRY4」共に物語を滔々と語るタイプのゲームじゃありませんでしたが、敵側にはどちらも狂気のカリスマともいうべき悪役が存在していました。その彼らこそが物語の核でもありそのゲームを代表するキャラクターです。
しかし「PRIMAL」はシンプルな部族間抗争でしかなく、印象的な悪役も存在せず意表をつく展開というものもありません。舞台が舞台だけに登場人物全員が現代には居ないような個性的すぎる面々ですが、「FARCRY PRIMAL」をいうゲームの顔となれる者はいませんでした。
もともとストーリー性の弱いタイトルだけにその点が欠けたのは痛いところです。

 

見た目は従来のシリーズと大きく変わったように感じられますが、各地の拠点撃破とか不意に始まる小ミッションとかは良くも悪くも今までのFARCRY。物語を追うのではなくマップ上の印をつぶすのが目的となるいつものFARCRY
お供の大型獣がいれば序盤の緊張感はどこへやら。目についた敵をジャンクフードのように食い散らかし、マップ上に記されたミッションをプチプチを1つ1つ潰すように進めていく作業感。

 

これでいいのか原始時代!?
原始時代を舞台にするというからもっとハードでタフでワイルドで弱肉強食なひりつくようなゲームを期待していたのに肩透かしを食らったように感じられました。
例えるなら、大好物のメニューで確かに不味くはないけれども、焼き加減や塩加減が全然物足りなくて不満。といったところです。悪いゲームじゃないんですけどねぇ。

 


ちなみに日本語版は残酷描写と性的シーンの規制がなされています。四肢欠損などがカットされてるそうですが最近じゃ「FALLOUT4」で規制なしで出てたのにこの差は何なんでしょうねぇ。
また「FARCRY3」ではSEXシーンがあり「PRIMAL」でもそれがカットされているので、今回はどんなのかなとクリア後に動画を見てみると…笑ってしまったw ああ、めっちゃワイルドだw
興味ある方は「FARCRY PRIMAL SEX」でググってみてくださいなw

 


『Uncharted 4: A Thief's End(アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝)』レビュー

Uncharted 4: A Thiefs End(アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝)

赤城山の徳川埋蔵金はどうなった?

歴史の狭間に消えた財宝や遺跡を探し求める、それはまさにであり浪漫を掻き立てる大冒険であります。
そんな宝探しは昔から小説に映画に演劇にとあらゆるエンターテイメントで扱われてきた古臭い題材ですが、ゲームでは代表的なのが「TombRaider」とこの「Uncharted」シリーズの両巨頭で決まりでしょう。
「Uncharted」は映画「インディージョーンズ」を体験するかのような映画的物語性を強く持ったゲームで、今やプレイステーションを代表するタイトルの1つであります。このストーリーとアクションを融合させたアドベンチャー要素は先んじて人気シリーズとなっていた「TombRaider」にも強く影響を及ぼし、近年のリブート作以降は非常に似通った作風となっています。

そして今作「Uncharted 4」はシリーズ最終章としてフィナーレを飾ることとなりました。序盤や終盤で軽く過去の冒険に触れるシーンがあるのでシリーズを通してプレイしてきた方には感慨深く思われるでしょう(私は「1」しかやってませんが)。
やろうと思えば新たなお宝を求めて幾らでも続編が作れそうなものですが、あまり延命させすに綺麗に幕を閉じる事にした決断は潔く素晴らしいと思います。
とはいえ最後と言ったものの外伝やら新章やらで復活することはよくある話ですから実際どうなるかは分かりませんけどねw

DECOの遺伝子が今ここに!(嘘)

クリアまで15時間。今時のゲームの中では短い部類ですが、実に濃密な15時間でした。その昔「冒険百連発」がキャッチコピーのゲームがありましたが「Uncharted 4」はまさにそれ。

断崖絶壁をよじ登り、突然崩れ落ちるのを間一髪で回避し
隠された謎を解き明かし海賊の財宝への道程を突き進み
同じ宝を狙う傭兵軍団相手に命からがら生き延びる。

まさに絵に描いたような冒険活劇ですがそのベタさが心地よくも楽しい上にPS4の性能を思う存分発揮したド派手な演出が最高にアツい!

物語も冒険部分だけを描いただけでなく、主人公ネイサン・ドレイク、結婚したエレナ、生き別れの兄サムたちとの関係性も楽しませてくれるのです。

不気味の谷もひとっ飛び!

グラフィックの美しさも必見。世界各所を巡って旅しますがそれがまたどこも息を呑む美麗さ。特に中盤に訪れる某島の鮮やかさは実際に旅行してみたいと思わせてくれるほどの説得力を持ちます。観光ゲーとしても秀逸。
そして何より素晴らしいと思わせられたのが人物アニメーション。カットシーンでの立ち振舞はCGキャラであるというのを忘れてしまう程自然ですし、なにより表情が凄すぎる!口の動きに合わせた筋肉・シワの動き、瞬きなど実にスムーズでナチュラル。顔の演技というのが実に出来ていてゲームのCGもここまで来てしまったかと感嘆せざるを得ません。
同じ開発会社の「The Last of Us」も良かったんですがさらにパワーアップしていると感じられました。

不満らしい物はあまり感じませんが、壁登りをしてる時にいきなりガラガラと崩れて坂道を滑り落ち崖直前でジャーンプ!みたいなシチュエーションが何度かあって「またこれかよ」ってのがイマイチかなと思ったぐらいですね。
あとは「TombRaider」とは違い死に様があっさりすぎってとこでしょうか。もっとコッテリ無残に死んでくれて良いのよw

とにかくPS4ユーザなら是非ともプレイていただきたい/プレイすべき作品です。これ目的にハード買っても良いぐらい。間違いなく2016年現在でトップに立つクオリティですので味わう価値は十二分にあるでしょう。
特に中盤のカースタントシーンは圧巻ですぞ!

 

『UNRAVEL(アンラベル)』ぷちレビュー

UNRAVEL

北欧の野山を駆け巡り

「unravel」とは「(もつれた糸などを)解く・ほぐす」という意味を持ちます。その言葉をタイトル名とするゲーム「UNRAVEL」は名前の通り、糸を扱り様々な障害物を乗り越え進む思考系アクションアドベンチャーです。
おばあさんの毛糸玉から生まれたヤーニーは自分の一部であるを投げて、登ったり下ったりロープアクションで横へ飛び移ったり、トランポリン状態で高所へジャンプしたり、時には転がっているオブジェクトを持ってきて足場にしたりと、よくある類のゲームですが、糸の使い道のイマジネーション豊かさは感心させられます。
また糸の長さは有限だけに、シーンによっては張り方をきちんと考えないとあと一歩届かない!なんて事もあるのが面白いですね。

謎解きもさほど難しくなく行き詰っても状況をよく見ればなんとかなる程度で、1ステージ30分前後という長さも遊びやすい。物理エンジンで動いている特性上、物を動かして進むような場面もある程度適当でもどうにかなっちゃうアバウトさもまた良し。
穏やかな見た目に反して意外に「死んで覚える」タイプのゲームですが、悲惨さはありませんしリスタートも迅速。
美しい自然風景の中をストレスのない適度な難しさと心地よいアクションを楽しめる良作なのでした。

「UNRAVEL」を作ったのはスウェーデンの開発会社。ゲームの舞台となるのもスウェーデン北部でまさにその土地を散策しているような感じを味わえる観光ゲーとしての側面も持ち合わせています。もちろんまったく日本の野山と異なるという訳ではありませんが、草花に詳しい人がプレイすればいろんな発見があるかもしれませんね。BGMもまた北欧の民族音楽だそうで雰囲気もバッチシ。
同時に日本からすればイメージの良いスウェーデンでも環境問題等いろいろあるんだなと知らされ、綺麗な部分だけを見せられるショーケースになっていないのも好印象でした。

不満を感じるような点はあまりありませんが、奥行きの概念が無いのでちょっとした小枝や柱なども奥を通り抜けるといったことが出来ないのがやや気になりました。これがファミコンのような如何にも2Dのグラフィックなら気にならないでしょうが、なまじ綺麗なだけにそこに違和感を感じてしまいます。

この「UNRAVEL」とはこじんまりとした良作ですが、それ以上でも以下でもない刺激に薄いゲームだったという印象です。オンライン専売の小規模タイトルといえば「風ノ旅ビト」が代表的ですが、そこには辿り着いていません。ゲームの基礎部分は良かったので、もう一歩二歩突き抜けた部分が欲しかったですね。

 

『FALLOUT4(フォールアウト4)』レビュー

FALLOUT4(フォールアウト4)

マイベストゲーム2015

当ブログでは毎年年末に「ゲームアワード」としてその年にプレイしたゲームのランク付けを行っていますが、去年2015年の第一位に選んだのが今回紹介します「FALLOUT4」でした。プレイ途中での格付けでしたが、無事クリアしましたのでレビューをお届けします。
なおプレイタイムは98時間。まだまだやり込める要素はありますが、本筋が完結した時点で終了としました。

「FALLOUT4」はそのシリーズや「The Elder Scrolls」シリーズでお馴染みのベセスダ・ソフトワークスの新作。ベセスダが作るオープンワールドRPGは世界中に人気があり、このゲームも出荷本数1,200万本という驚異的な数字を誇っております。

舞台は中国との核戦争から約200年経ったアメリカ ボストン。「FALLOUT3」の10年後という設定ですが過去作との関連は気にするほどではないので「4」から始めても全く問題無いでしょう。

開戦直前に冷凍睡眠に入った主人公は覚醒間際に愛する我が子をさらわれ伴侶も殺されてしまいます。目覚めて外に出てみればそこはあるのは戦争による破壊と長い年月で無残に朽ち果てた我が家我が街。奪われた息子を取り戻すべく荒廃した大地の旅が始まる、といったプロローグ。
それまでのベセスダゲームの主人公はドラクエのように喋らないタイプでしたが「4」ではセリフあり。メインシナリオは「息子の奪還」という根幹にそって進みますし喋る分他作品よりも物語性が強いと言えましょう。それだけに「3」「FALLOUT NewVegas」のファンからは不満の声もあるようですが、私はまとまりがあって良かったかなと思います。
寄り道が楽しすぎるので、子供の事なんてほったらかしで他人のお使いに精を出す日々になりがちってのは恒例ですしね。

戦争で荒んだ世界を旅して、野盗怪生物と戦い、僅かに生き残った人々と交流し時には争う
自衛団軍隊組織等に属して一員として活動。各々が信じる正義を守る戦いに身を投じ、様々な思惑が絡む中で自らの信念を貫き進む
冷凍睡眠から目覚めた主人公が崩壊したアメリカでどういう道を進むのかはプレイヤーに委ねられているのです。


余談ですが「4」のスピンオフとしてスマホに「Fallout Shelter」というゲームがリリースされています(英語版のみ)。めちゃくちゃやりたいんですが、私の機種には対応していないので残念ながら未プレイです。
台湾製の安モンスマホ使ってるから悪いんですが、とにかくGooglePlayは対応してるかプレイできるかどうかはこっちがやってみて判断するから、まずはインストールさせてくれよと声を大にして言いたいですよぉ。

ザ!鉄腕FALL!!

変わった点は色々ありますが、一番のポイントはクラフトという要素が加わったことでしょう。鉄や木材などの材料を集め武器防具の改良から街づくりまで幅広いDIY制作を行えるというものです。
金にならないガラクタはただ邪魔なものでしかなかったのですが、「4」では全てに意味があります。空き缶もバットもぬいぐるみも拾えるものは「素材」として利用出来るので全てのアイテムに意味があります。
雑魚から殺して奪ったハンドガンを灰皿や目覚まし時計を利用してパワーアップさせるというのは如何にもゲームチックではありますが楽しくもあります。

他には拠点となる場所を開放し、そこにコンテナやバラックを建てればちょっとした街づくりが出来る様になるのも面白いですね。今は「マインクラフト」「テラリア」といったコンストラクション系ゲームが流行りですのでそれを追ったように見えますが「TES V: Skyrim」では家が建てられるようになるDLCがあったのでそれをパワーアップしたと言う方が正しいかもしれません。
しかしこのクラフト要素もあくまでやれることの1つにすぎない為、やってもやらなくても良いという程度のユルさがイイですね。ここである程度の村を作らないと前に進めないって事もありませんし(後半作らないといけないアイテムはあったりしますが)。

井戸を掘り、野菜を植え、狩った獲物を調理し、必要な物は手作りし、住居を構え、人を集め集落を作る。
元はホワイトカラー職だったのに世界に出るやいきなりTOKIOに匹敵するサバイバル能力を発揮する主人公には感服せざるを得ません。

安心してください!規制無しですよ!

とても面白く良く出来たゲームですが、更に日本語版としてなお特筆すべき点があります。
それは表現規制に関して北米版と違いが無いということです。

戦闘シーンで敵は吹っ飛んでバラバラになりますし、レイダー(野盗)のアジトに死体が無残に吊るされていたり、さらには食人要素までそのまんま。ハンドガンで撃ち殺しても人間はここまで木っ端微塵にならんでwと他のグロゲーを見慣れ者からすれば笑っちゃうような描写ですが、それをやったということ自体が素晴らしい。

ちょっと前までは人間の四肢損壊は大体NGでした。ゾンビやミュータントは人間じゃないからセーフ!なんて抜け道もありましたし。
ところが「FALLOUT4」ではオールオッケー!今までのCERO基準はなんだったんだ?と言わんばかりの世紀末救世主伝説ゲーですよ。この腐敗と自由と暴力の真っただ中ですよ。

洋ゲーの魅力にどっぷりハマって約10年、当時を思えば隔世の感を禁じ得えませんねぇ…。

しかし、これを機に「ヒャッハー解禁だー!「MANHUNT」「DEADSPACE」も認められるぞ―!」とまではならないんじゃないかと思っています。そこそこのグロ表現までは認めますよ程度に収まるんじゃないかと。エロは現状通りでしょうし(乳首・性行為NG)。
CEROレーティングは所詮自己責任レベルなんで厳密なゾーニングが出来ている訳ではありませんから、ある程度の節度はあったほうが良いんじゃないのかなぁと。

ま、本音を言えば「解禁して欲しいけどして欲しくもない」という洋ゲーマーとしての個人的なワガママ意見ですけどねw


>> 『FALLOUT3(フォールアウト3)』レビュー
 

『シャンティ -海賊の呪い-(Shantae and the Pirate's Curse)』レビュー

『シャンティ -海賊の呪い-(Shantae and the Pirates Curse)』レビュー

和ゲーの皮を被った洋ゲー

愛らしいドット絵キャラとオールドスタイルな内容がアクションゲームファンを喜ばせていると評判の「シャンティ -海賊の呪い-」のレビューです。
開発は主に任天堂携帯機で「スポンジボブ」や「トランスフォーマー」等を制作してきたWayFoward。古くからキャラゲーを多く手がけてきた会社だけに本作も実に昔ながらの手触り感を持つ正統派アクションとして作られています。
ご覧のとおりまるでスーファミのようなグラフィックと主人公シャンティの明るく前向きな性格も昔のゲームやマンガのキャラクターのようで、初めてなのに懐かしい感じを受けました。

なお本作はシャンティシリーズの三作目。過去作の日本版はリリースされていません。ストーリーは続いているのでキャラ同士の関係が多少分かりにくい部分はありますが大きな支障はないでしょう。
製作者が日本のゲームやマンガに影響を受けたと発言していますし、今作の絵師が日本人なので見た目もプレイ感覚も和ゲーと違和感はありません。
ボイスが英語発音なのとテキストが所々上手く収められていない点に若干の洋ゲーっぽさを感じる程度です(もうちょっと上手く改変すれば良いのになとは思いますけども)。

死んで覚えろ

難易度はやや高め。序盤中盤もそこそこ苦労しますし、何と言ってもラストダンジョンの道中がキツイw 今まで手にしたアイテムとテクニックをフルに活用しつつ死んで覚えるストロングスタイルもまさに昔のゲームさながら。しかし回復アイテムは山盛り持てるので万全に準備し挫けずにトライすれば必ず道は開けます!逆にラスボスは回復でゴリ押し出来ちゃうので全然苦労しませんがw
その手応えもプレイ中は辛くとも、クリアすれば丁度良い塩梅だったなと思えますね。

ただ、新たなアイテムを得るたびにアクションが増えて行けなかった所に行けるようになるのは楽しいポイントですが、ハートのかけら(的なもの)等を集めるために一度潜ったダンジョンに二度三度行くのは少々面倒でした。
同様に謎解きのフラグ立てで右往左往するのも無駄に時間をとられるしでストレス。ここがもうちょっとスマートに行っていればもっと素直に楽しめれただろうなと思います。

それ以外は別に気になる点もなく、手応えのある良いアクションゲームだと言えましょう。
グラフィックもゲーム性もクラシックスタイルですが昔のゲームのような理不尽さはありません。さらに今の技術により会話シーンの立ち絵が立体視で見られるってのも見逃せない点。
ボンキュッボンでおっぱいドーンなので、幕間デモは3DスライダMAXは必須ですぞ!
 

『UNDERTALE(アンダーテイル)』レビュー

undertale

スプラトゥーンを超えたインディーズゲー

Howdy!
「UNDERTALE」というゲームはご存知でしょうか?
コンシューマ向けゲームでなくSTEAM公式サイトで販売されているPC向けのゲームで海外で今話題になっている作品であります。
日本での知名度はまだ殆ど無いに等しい状況ですがインディーズ作品にも関わらず極めて高い評価を受け、TIME誌が選んだ2015年度ベスト10にてあの「スプラトゥーン」を抑えて9位に選ばれるほど賞賛を浴びているゲームなのです。

スクリーンショットを見てもらえば分かる通り、8bit調レトロスタイルのRPGで音楽もPSG音源的なチップチューンで彩られています。作者も「MOTHER」等日本産ゲームに影響を受けたと公言していますので、新作なのにデジャブを感じてしまうような懐かしさ。
と言っても、レトロにこだわりすぎていない自由さもまた良し。ファミコン等では不可能な演出もシーンに応じて行っていますし、サウンドも中盤の展開で急に良くなり、ファミコンが急にスーファミになったような変化に驚かされました。
その枠にはまっていない自由さというのは「UNDERTALE」の魅力の一つ。演出も様々に工夫されていてチープな見た目に作っていますが良い意味で手作り感溢れる出来となっています。ここはインディーズのフットワークの軽さゆえでしょう。

戦闘はお馴染みのコマンドバトルですが、こちらの攻撃ターンでは「たたかう」や「にげる」等定番コマンド以外に「Threat(脅す)」「Cheer(応援)」「Insult(侮辱)」など色んなバリエーションがあり実にユニーク。
そして敵のターンでは一転してシューティングゲームのように弾除けで攻撃を回避するといった非常に変わったもので、上手くやればノーダメージで倒せますし全く攻撃してこないというパターンもあったり様々です。
なお、ゲームパッドにも対応してるはずですが、何故か私の環境では↑キーのみ反応しないという謎状況でしたのでキーボードでプレイしました。ここは残念な点でしたね。

魔物とのハートウォーミングな交流の旅(中盤までは)

「UNDERTALE」の何が評価されているか、それはシナリオです。
メインディッシュはレトロスタイルさでも一風変わった戦闘シーンでもないのです。

かつて人間と魔物が争い、敗走した魔物が地下に住む世界。
誤って魔物たちの国に迷い込んでしまった子供が人間の世界に戻るために道中出会った魔物たちと交流を深めて進んで行くいくというオーソドックスな物語です(なお主人公は一切しゃべらないタイプ)。
魔物の国と言ってもエンカウントで出てくる敵以外は基本的に皆フレンドリーで憎めない相手ばかり(鬱陶しくてしょうがないコミュ症野郎とかもいますがw)
そこまでは普通でしょう。私も終盤近くまでプレイしてて何処が絶賛されてるのか疑問でしたし。

しかしラスト間際で明らかになる隠されたエピソードと予想外すぎる超展開!
ここは本当に度肝を抜かれましたし、パソゲーならではの演出に息を呑みました(少なくとも家庭用ゲームでは見たことがない)。

と、全てを知ってるかのように語っていますが、私はまだノーマルエンドを1回クリアしただけです。「UNDERTALE」はマルチエンディングで全てのエンディングを見てこそ真髄を味わえるらしいので、まだ語る資格はないのかもしれません。

まだ日本語版はリリースされていないので英語版でのプレイでしたが、そんなに難しい英文じゃないと言いながらも100%把握しきれなかったのは事実。クリア後にニコ動に上がっている字幕付きの通常エンド動画を見て理解しましたが、やはりそれは残念なことです。

日本語版のリリースを切に願います。
トゥルーエンドはその時に目指したい。

実際ローカライズは予定されているとのことですし、嘘か誠かWIIUでも出るなんてウワサもあったり。文字自体が動きまくるなど演出がなされているので日本語化は困難でしょうが、是非とも期待したいところです。

しかしこれは辞書引きながらでも是非ともプレイしていただきたいタイトルです。PCですから翻訳サイトの利用もしやすいですしね。日本語版も出ないとは限りませんし、スルーするには勿体なさ過ぎるゲームです。周回プレイを前提にしてるのかクリアタイムも8時間と短めですから。
見た目のような「ほのぼの系」の心優しい物語ではありません、かなりのを孕んでいますがその闇に海外プレイヤーが毒させられてしまったのかもしれません。

レトロスタイルのゲームは今では珍しいものではありませんしむしろ食傷気味なきらいもありますが、「UNDERTALE」は他と頭3つぐらい飛び抜けた秀逸なゲームです。
是非とも多くの日本のゲーマーに遊んで「驚愕」してもらいたい!
Nyeh Heh Heh Heh!



>> 公式サイト undertale.com



『Shadow of Mordor(シャドウ オブ モルドール)』レビュー

Shadow of Mordor(シャドウ オブ モルドール)

くッ!離せ!貴様らのような化物にこの私が…!

オークといえばファンタジー物によく出てくるお馴染みのモンスターで、最近はゲームよりも薄い本等で大活躍されているようですが、今回レビューします『Shadow of Mordor(シャドウ オブ モルドール)』はそのオークの上位種ウルクさん達と終始戯れるゲームとなっております。

「モルドール」の名(国名)の通り、このゲームは指輪物語ワールドのエピソードで「ホビット」「ロード・オブ・ザ・リング」の間に起きたストーリーとして位置づけられております。
「いとしいしと」のセリフでお馴染みのゴラムや指輪の製作者ケレブリンボール等が登場し、指輪ファンにはたまらない内容でしょう。
ちなみに私はLOTR三部作全てを劇場で見ましたが、もうだいぶ前なので細かい点は結構忘れちゃってましたね。
しかし見てようと見てまいと関係なく楽しめる良作ですので、知らないからといってスルーするには惜しいゲームです。

レンジャーのタリオンは妻と子共々冥王サウロンの手下「黒の手」に倒されてしまいました。しかし何故か復活したタリオンは謎のエルフの亡霊に「永遠に蘇る呪いをかけられた」と知らされ、「幽鬼の力」を得た彼はその亡霊とともに「黒の手」を討つべく旅立つ…というストーリー。

ひゃうっ!そ、そんな…私を操る等とは…らめぇ〜!

『Shadow of Mordor』で一番特徴的なのが「ネメシスシステム」
ウルクの軍勢には階級があり、雑魚兵<小隊長<軍団長 という構図。常に内部抗争があり下級ウルクが小隊長と勝負して勝てば下克上となりますし、小隊長がどこかで死亡して空位となれば誰かがその座につく等など。
小隊長は自分の軍勢を強化するために、部下の前で強さを披露したり宴会を開いたりと中間管理職の様相が微笑ましくもあります。
そして主人公が雑魚ウルクに殺られるとそいつは小隊長に格上げとなりますし、同じ奴に何度も殺られるとどんどん強くなっていって軍団長よりもパワーを付けてしまうなんてことも。実際私も序盤でその状態に陥り手がつけられない強敵を育ててしまった状態になっていましたが、小隊長以上は「火が苦手」「カラゴル(大型肉食獣)が怖い」「遠距離攻撃無効」といった個性付けがなされているので、弱点を上手く突いて倒すことが出来ました。めでたしめでたし。

後半ではウルクを精神支配して自分の手の内にする能力が使えるようになりますので、小隊長も軍団長も全て我が配下という状況に出来れば攻略もかなり楽になります。軍団長の討伐イベントで事前にその警護役小隊長を全員配下にしておいて、ここぞというタイミングで寝返らせて倒させるという流れは最高です。

アクションゲームとしても良好。
ステルスゲームとしてもよく出来ていますし、壁登りも「Assassin's Creed」以上にストレス無く登れるし落下死も無し。
バトルシーンもまた気持ちよくてGOOD。お手軽操作で攻撃・受け流し・背後取りが出来て派手なチャンバラを繰り広げられ、首を切り落としたり炸裂させたりとフィニッシュムーブが多彩すぎるのも素晴らしい。
最初は「ちょっとテンポ遅めかな?」と感じましたが、大群に囲まれてバッサバサと斬り倒してい時にこれぐらいのテンポが丁度心地よいと思えました。
難易度は高い方ではありませんが、難しすぎず簡単すぎず丁度良い塩梅のベストセッティングだったのではないでしょうか。

も、もっと!ウルクさんのをもっとおおおお!

不満点はあまり感じませんでしたが、もうちょっとボリュームがあれば良かったかもしれません。クリア時間が33時間で達成度88%。これで少ないと感じるのは大作箱庭ゲームに慣れすぎているかもしれませんが。そういう人にはDLCも用意されてるんで、買えって話ですけどね。
あともう少しウルク関連のイベントが欲しかったですねぇ。ありますけれども、やや物足りないなと。下劣で狡猾でもどこか滑稽なウルクさん達とはもっと絡んでいたかったです。
サイドミッションも単発なのでストーリー性があったら良かったんですが。

とてもお勧めのゲームです。
実際2014年の「Game of the Year」を各所で獲っていますので実力は折り紙つき。
ストーリー的に続編というのは難しいかもしれませんが、ネメシスシステムと良好なゲーム性を受け継いだ後継者が再びモルドールの地に降り立つことを祈っております。


コメント:ホントはもっと早くプレイしたかったんですけどね。期待通りの作品でした!


『FARCRY4(ファークライ4)』レビュー

FARCRY4(ファークライ4)

※今回のレビューはややネタバレ気味ですのでご注意下さい。

出来は良くなったけどパワーダウンした続編のパターン

野山を駆け巡り敵兵や野生動物と戦う内容とFPS&オープンワールドの融合が魅力である「FARCRY」シリーズの新作「FARCRY4(ファークライ4)」です。
今回の舞台はヒマラヤに位置する架空国家キラット。チベットやネパールとかその辺りですね。そのキラットの独裁者パガン・ミンが倒すべき首領であります。
「FARCRY3」ではパッケージにあったモヒカン野郎がナイス基地外でとても印象的でしたが、今回はパガン・ミンがそのポジション。ですが、前作ほどの狂気は出せていなかったかなぁと思います。出番少ないですしね。彼以外のキャラクターもそこそこかと。

パガン・ミンに限らず、キャラもストーリーも「3」のほうが上でした。ゲーム自体の面白さは相変わらず良く出来てて素晴らしいのですが、そこが弱いのが残念でしたね。

反乱軍(主人公側)には男女2人のリーダーがいてどちらかを最終的に選ぶのですが、どっちにしても大差なし。バッドやトゥルーエンドもありますがイマイチすっきりせず。
なお、セーブ・ロードはオートで行われるので、選択肢前にセーブしてクリア後に違うルートを辿るということは出来ません。それなりに長いゲームなので2周はしんどいですんで他のラストが見れないってのも残念箇所ですね。(私は動画サイトで他エンド見ましたが)

♪盗んだゾウで走り出す 行き先を踏み潰しながら

前述のとおり、ゲーム自体はとても面白いです。

運転しづらかったのも改善されてますし、フックを使っての山登りにジャイロコプターと移動面も快適になりました。機能面は「3」をさらにブラッシュアップしてきています。
そして何よりゾウに乗れるってのが今回の目玉!
突進して敵兵や車輌を薙ぎ倒し鼻を振り回しての大暴れ爽快ッ!
ただこれもあまり野良ゾウがあまりいないので乗る機会も少なめ。基本的に低地に生息してるので山の上のほうが主戦場となる後半では見かけることもめっきり減りますし。イベントで絡む時もありますが、もっと多く乗りたかったですね。

FPSとしての戦いようはあまり変わりませんが、新アイテムの「餌」が面白い。手榴弾のように敵付近に生肉を投げると肉食獣が寄ってきて戦ってくれるというもの。肉一個で敵が次々食い倒されるのを安全地帯から眺めるのは一興ですよぉ、フヒヒヒw

知人が行って見せてもらったチベットの風景写真そのものでした

キラットはヒマラヤ付近だけにチベット仏教が根付いています(その知識はないので正しく描いているかは分かりませんが)。架空の国ではありますが土地に則した文化があちこちに見られるので観光ゲー要素の強さも魅力。馴染みのない地域ですからなおさらです。
タンカとかマニ車とか初めて知るものも多々あり勉強になりますね。

「FARCRY」は異文化に紛れ込んだ英雄的アメリカ人を描いたゲームですが(ちなみに発売はフランスの会社で製作はカナダのスタジオ)、知らない世界への憧れというものを強く感じます。風景や建築物という表層的なものでなく宗教や精神的な違い。麻薬を以ってさらに接近しようとするのは70年代のヒッピーカルチャーそのものでしょう。

仮想世界で触れ得ない遠方の文化に接することが出来るというのは、とてもお手軽でありながら興味深いコンピュータゲームならではの経験です。

とは言え、文化よりもその地の異性と接したいのが正直なところ。
前作あった◯◯◯シーンが今回全く無いのが最大の不満ッ…!
それを期待して女リーダーに肩入れしていた俺の純真を返せッッッ!!(怒)


>> 『Far Cry 3(ファークライ3)』レビュー

コメント:チベットが舞台だったなら敵は赤い旗の国でしょうね


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